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ハリーが怪訝そうにゴブレットを見ているとルーピンが微笑んだ。
「これは複雑な薬でね。私は昔から薬を煎じるのが苦手なんだ。…砂糖を入れると効き目が無くなるのが残念だ。」
ルーピンはそう言って一口飲み、身震いした。
文句ならダモクレス･ベルビィに言いなさいよ。
Aはルーピンを睨んだ。
「どうしてそんな薬を？」
「この頃はどうも調子がおかしくてね。この薬しか効かないんだ。スネイプ先生と同じ職場で仕事ができるのは本当にラッキーだ。これを調合できる魔法使いは少ない。」
ルーピンはまた一口飲んだ。
「まさかホグワーツに居る生徒が調合できるとは私も驚いたよ。」
「スネイプ先生は闇の魔術にとっても関心があるようです。」
突然、ハリーが言った。
大方スネイプがゴブレットの中に毒薬でも入れたと思っているのだろう。
Aは目を伏せてハリーに気付かれないように笑った。
「そう？」
ルーピンはそれほど関心を示さず、もう一口飲んだ。
「人によっては、スネイプ先生は闇の魔術に対する防衛術の担当になるためになら何でもするだろうって、そう言う人もいます。」
ルーピンはゴブレットを飲み干し、顔を顰めた。
「酷い味だ。さぁ、二人とも、そろそろお開きにしよう。私は仕事を続けたいからね。」
「…はい。」
ハリーは空になった紅茶のカップを置くと｢それじゃ、宴会で。｣とAより先に部屋を出ていった。
『文句がおありで？』
ハリーが出ていった途端に尋ねる。
「…君だったんだね、“A”。」
『あなただったんですね、ルーピン先生。』
二人は立ちあがって互いに体を向けた。
「驚いた。」
『それは私も。』
「理事会や保護者に報告するかい？」
ルーピンは慣れっこのように言った。
『どうして？』
Aは心底不思議そうにルーピンを見つめた。
「…ッハ、驚いたよ。Aは私が怖くないのかい？」
『人狼だからって何とも思わない。仕方のないこと。』
Aはそう言うとルーピンに背を向け、少し空いたままになっている扉に手を掛けた。
『…どれだけ苦くても明日もちゃんと飲んでくださいね。』
優しい声でそれだけ言うと手を掛けている方の手に力を入れ、ルーピンの部屋を出ていった。
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アキナ - おもしろいです！作者様のペースで更新頑張ってください！ (2021年7月19日 16時) (
レス) id: 4ce2f65376 (このIDを非表示/違反報告)
和恋(プロフ) - めっちゃ続き読みたいです！更新待ってます！！ (2021年4月29日 15時) (レス) id: c286ccdbac (このIDを非表示/違反報告)
セブラブ - こんにちは！最初のシリーズから今までのを見てとても好きな作品になりました！これからも更新頑張ってください！ (2021年4月8日 23時) (レス) id: c2a3af8909 (このIDを非表示/違反報告)
セブ妻狙い - 大好きな作品です！スネイプ先生との関係が破綻仕掛けてるとこにそわそわしながらも楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！！！ (2021年3月31日 1時) (レス) id: 1c25d764dd (このIDを非表示/違反報告)
魔法使い隊 - 更新楽しみにしてます。頑張ってください。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b2f17d6310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドナ | 作成日時：2021年3月9日 22時
