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「その年よ。あたしは二階の女子トイレの小部屋で死んだのよ。よぉく覚えてるわ。オリーブ･ホーンビーがあたしの眼鏡のことからかったものだから、鍵をかけて泣いてたの。」
マートルはどこぞやの舞台俳優のような振る舞いで当時の状況を演じて見せた。
「そしたらね、誰かが入ってきたの。」
『誰か？』
「そう…そういえば変なことを言ってた。外国語だったわ。でもね、とにかく嫌だったのはその声が男子の声だったってこと。だから、出ていけ！男子トイレを使え！って言うつもりで鍵を開けたの。そしたら…」
マートルは偉そうにそっくり返って顔を輝かせた。
「死んだの。」
『え？』
思わずAは眉を顰める。
「どうやってかは分からないわ。でも、大きな黄色い目玉が二つあった。体全体がギュッと金縛りになったみたいに…」
マートルは当時のことをまだ話していたがAは全神経を今まで聞いたことと推理したことに集中させた。
やっぱりバジリスクの目を直接見たら死ぬのは確か。
外国語を話してたって言うのは恐らく
話してた男子は…お父様。
ヴォルデモート。
「…ったこと、後悔してたわ。」
マートルが嬉しそうに何か言っている。
『ねぇ、マートル。あなたが死んだところは、厳密に言うとトイレの何処？』
「小部屋の傍の手洗い場のところよ。」
『手洗い場？』
Aは聞き返す。
「そう。でも、そんなこと知ってどーするの？あたしの伝記でも書くつもりぃ？」
マートルはケタケタと笑う。
『そうね、これを答えてくれたら考えてもいいかも。』
「なぁに？」
『二階の女子トイレの手洗い場、何かおかしなところはない？』
Aは真剣な眼差しで尋ねる。
「…うーん。」
マートルはまた唸った。
「…そうだ、おかしくはないけど蛇口が一つ壊れっぱなしなのよ。水が出ないの。」
『ずっと？』
「えぇ。確か、あたしが死んだ辺りの蛇口よ。」
マートルがそう言うとAはザバッとお湯から上がり、水で軽く汗を流して浴場を後にした。
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Sirva - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年3月9日 21時) (
レス) id: 03e7803ec8 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アズカバン編も楽しみにしてます！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - 本当に面白いです！！これからも応援してます。無理せず頑張ってください！ (2021年3月2日 8時) (レス) id: d9a553c393 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - はじめまして！とっても面白くて、今日で最初からここまで読んでしまいました！続きも待っています！ (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9a6c0b76ac (このIDを非表示/違反報告)
惺南(プロフ) - ホントに面白いです！大好きなシリーズなのでぜひぜひアズガバンの囚人もやってほしいです！！！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: 3aa5eaa043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドナ | 作成日時：2021年2月19日 23時
