76 ページ26
.
「…秘密の部屋……」
部屋の隅で微かな声が聞こえた。
Aはゆっくりと振り返り、ハリーはすぐに駆け寄った。
ジニーだ。
「ハリー！あぁ、あたしがやったのよ。でもあたし、そ、そんなつもりじゃなかった！う、嘘じゃないわ！リドルがやらせたの。あたしに乗り移ったの、本当よ？」
「もう大丈夫だよ。」
ハリーはインクで溢れた日記帳を指さした。
「リドルはおしまいだ。見てごらん、Aがやっつけてくれた。」
「ああ、A！あたし、あたし…！」
Aは何も言わずにぼんやりと遠くを眺めていた。
「A？」
『先にダンブルドアの元へ行きなさい。先に行って自分の身、ジニーの身に何が起こったのかを全て隠さず話すの。』
Aはそこまで言うと日記帳を拾った。
『これをダンブルドアに。ハリー、女の子を守るのは男の使命でしょ？』
Aは静かな口調でそう言い、静かに微笑んだ。
『ジニー。こっちへいらっしゃい。』
ジニーは泣いていたからか突然憧れの人に名前を呼ばれたからか分からないが、顔を赤くしながらAの近くへ寄った。
『よく頑張った。』
「っ、！で、でも…あたし…あたし……！」
『さあ、ハリー？ジニーをよろしく。私は二度とここが闇の手によって開けられないように魔法をかける。』
ジニーは再び涙を溜めたがAはにっこりと笑って無理やりハリーと手を繋がせた。
二人揃って顔を赤らめたが、Aが頷けば二人は秘密の部屋を後にした。
Aはその場にへたりこんだ。
涙は出ないものの、何かに心臓をくり抜かれたかのようだった。
『…
Aの杖からは銀に輝くオオコウモリが現れた。
『彼に伝言を。』
オオコウモリは頷くように羽をばたつかせた。
『…ありがとう……さようなら。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sirva - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年3月9日 21時) (
レス) id: 03e7803ec8 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アズカバン編も楽しみにしてます！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - 本当に面白いです！！これからも応援してます。無理せず頑張ってください！ (2021年3月2日 8時) (レス) id: d9a553c393 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - はじめまして！とっても面白くて、今日で最初からここまで読んでしまいました！続きも待っています！ (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9a6c0b76ac (このIDを非表示/違反報告)
惺南(プロフ) - ホントに面白いです！大好きなシリーズなのでぜひぜひアズガバンの囚人もやってほしいです！！！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: 3aa5eaa043 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドナ | 作成日時：2021年2月19日 23時
