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「…っ！」
『ハリー！』
ハリーの腕には生暖かい血がどっぷりと付いていた。
ハリーの肘のすぐ上あたりにバジリスクの毒牙が一本突き刺さっていたのだ。
反対にバジリスクの口の中にはハリーが掲げていた剣が突き刺さっていた。
バジリスクは悲痛な鳴き声を上げながらドッと横座間に床に倒れた。
「A……やった、よ…」
ハリーは力なく笑いながらAの方へ足を進めた。
『ごめんね、ハリー。護れなくて。でも大丈夫だから。大丈夫…』
Aは顔を歪めながらハリーに寄り添う。
ハリーは身体中に毒をまき散らしている牙をしっかり掴み、力の限りに引き抜いた。
『ハリー！ハリー！』
Aが叫ぶすぐ隣に深紅の影が舞い降りた。
「フォークス…君は素晴らしかったよ、フォークス……」
フォークスがその美しい頭をハリーに預けた。
すると足音が響き、二人の前に黒い影が立った。
「ハリー･ポッター、君は死んだ。ダンブルドアの鳥にはそれが分かるらしい。鳥が何をしてるか分かるかい？泣いてるよ。」
トムは嘲るように言った。
「良かったな、A。これで有名なハリー･ポッターもおしまいだ。さぞ君も誇らしいだろう。君の父の、」
『…黙れ。何か勘違いしてる。誇らしい？フッ、そんなはずないでしょう。』
ハリーの意識はまだ朦朧としている。
Aはそばに落ちていたバジリスクの牙を掴み、そばに落ちていた事の発端でもある日記帳に牙を突き立てた。
「何をする！っ、うあああっ！」
恐ろしい、耳をつんざくような悲鳴が響く。
『さようなら、トム･リドル。』
Aはもう一度日記帳に牙を突き刺し、すぐに立ち上がってトムの元へ寄った。
何故かは分からない。
ただ、引き寄せられたとでも綴っておこう。
「…A……君は、とても、っ、綺麗、だよ……」
『ありがとう……トム。』
Aは眼を真っ赤に染めながらそう言うとその後ろでハリーが牙をまた突き刺した。
恐らく、不死鳥の涙によって傷が癒えたのだろう。
遂に悲鳴が消え、Aの目の前からトムが消え、ハリーの杖が床にカタカタと音を立てて床に落ち、そして静寂が訪れた。
Aの手からは日記帳を突き刺した時に吹き出た真っ黒なインクがポタポタと落ち続けた。
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Sirva - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年3月9日 21時) (
レス) id: 03e7803ec8 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アズカバン編も楽しみにしてます！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - 本当に面白いです！！これからも応援してます。無理せず頑張ってください！ (2021年3月2日 8時) (レス) id: d9a553c393 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - はじめまして！とっても面白くて、今日で最初からここまで読んでしまいました！続きも待っています！ (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9a6c0b76ac (このIDを非表示/違反報告)
惺南(プロフ) - ホントに面白いです！大好きなシリーズなのでぜひぜひアズガバンの囚人もやってほしいです！！！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: 3aa5eaa043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドナ | 作成日時：2021年2月19日 23時
