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先生 ページ7

午前4時過ぎ


彼女の部屋
お店と部屋が一緒になっているみたいで
焦げ茶色の木造を使ったお洒落な作りになっていた
しかし、部屋にはベッドとギター、本棚しかない無機質な部屋だった。本棚には小説やギターの楽譜、漫画など置いてあった
ベッドには大きなぬいぐるみがあって、子供らしさを感じる
そんな彼女の部屋で黒い子猫にミルクを与えている

「いいの? 拾ってもらって」

「はい!月さんもいいよって言ってくれたので」

「半ば無理矢理なんじゃ?」

「無理矢理じゃないとこの猫ちゃんはどうなるんですか!!」

「わ、わかったよ、落ち着いて」

子猫にミルクを飲ませながらあの子は言う
あれ?名前知らないな

「君、名前なんて言うの?」

「Aです。」

「Aちゃんさ、猫飼うの?」

「もちろんです!猫と暮らすの憧れてたんで、名前どうしよう」

みゃーん

真っ黒い体に満月のような黄色い目が彼女を見つめる

「んー ルナにしよう」

ミルクを飲み終えたルナはお腹を見せ寝てしまった

「さぁ!ギターをやりますよ!」

「うん」

僕は眼鏡とマスクとニット帽という芸能人特有の変装セットをしていることに気づき、しまったと思った
三十路の男が若い女性の家、いや一般女性の家にギターを教えてるなんて、、

「部屋寒いですか?」

「ぅえ?」

間抜けな声が出てしまった

「だって、ニット帽とマスクしてるし、もしかして風邪ですか?」

彼女は心配そうに僕の顔を覗き込む
えーいもうヤケだ!!バレてもなんとかなるだろう!!

「外寒かったです」

動揺を隠しながらニット帽とマスクを取る

「そうですよね!寒い中すみません。」

あれ?バレてない?

「いえ、ファンとして教えられるなんて光栄です」

「ファンじゃないです!!先生です!!早速なんですけど、次の満月でやる曲の中でこの曲が弾いていてしっくりこないんです。」

「やる気が感じられますね〜 どれどれ」

真夜中のギター教室が始まる。


午前5時半


ギターの音があってもルナは御構い無しに寝ている。

「すごい!綺麗に弾けてるよ!」

「ありがとうございます! 気持ちよく弾けるようになりました!」

「上達が早くてびっくりだよ。そろそろ帰るね」

「本当にありがとうございました! 満月にまた来てくださいね もっと上達しときます!」

「うん、楽しみにしてる」

玄関まで送ると最後に飴を私にくれた

「喉、大切にね」

「はい!」

私は先生の背中がなくなるまで見つめていた
なんだか寂しくて、あんなに心の底から笑える相手は初めて会えた気がする

上弦(じょうげん)....新月と満月の間→←新月(しんげつ)....月が見えない時期



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作者名: | 作成日時:2016年11月4日 11時

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