scene61 ページ11
「ヒロトくん、きみはなにか得体の知れない怒りを覚えているのかもしれないけど、ぼくもこう見えて結構怒っているんだよ」
野坂が胸倉を掴んでいるおれの手を掴んだ。
「いや、呆れているといった方がいいかな。残念だよ、きみはAちゃんをもっと理解していると思ったのに」
そう言って野坂はおれを嘲笑った。
「なめた口きいてんじゃねえよ、自分はあいつをわかってるとでも言いてえのか」
「わからないよ。ぼくはAちゃんのことをなにも知らない」
「じゃあ……」「でも、少なくともぼくはひとりで勝手に嫉妬心を膨らませて、八つ当たりしたりしないよ」
野坂の闇に濡れた目が語りかけてくる。
「簡単なことなんだよ。全部吐き出してしまえばいい」
「は……？ 意味わかんねえよ」
自然と手に力が込められる。もう感覚がなかった。
「きみは腹の底にしまい込んで蓋をしている感情を、墓まで持って行くつもりなのかい？」
「なに言って……」
「ぼくは敵に塩を送るようなことはしたくなかったんだけどね、きみとAちゃんを見ていたら、なんでかそういう気になってしまったんだよ」
「ま、待て、わかるように話せよ」
「つまり、こういうことだよ」
野坂はポケットからなにか取り出した。
「なんだよそれ……」
ストラップが繋がったプラスチックのカードだった。月明かりが反射して光っている。
「明後日、Aちゃんのイベントに行くんだよね。これを持っていれば、バックステージの全てのエリアにアクセスすることができるんだ」
野坂はおれの胸にそれを押し付ける。
「お礼は、そうだな……スイカ1個で勘弁してあげるよ」
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楓 - 福岡、京都、沖縄...陽花戸中、漫遊寺中、大海原中ですね。立向居や木暮、綱海がいるか確かめにでも行ったのでしょうか...。でも、夢主ちゃんの世界にヒロトは存在していない、と聞いたとき、ヒロト本人はどう思うのでしょうか...続きがすごく気になります！ (2019年2月17日 17時) (
レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 無印時代からアレス時代に来るとき、雷門中から飛び降りたことで夢主ちゃんがこの時代に来れたとか...？色々想像できて楽しいです！頑張ってください！ (2019年2月15日 13時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 初コメ失礼します！！もしかして夢主ちゃんは無印時代から来た子ですか！？アツヤ見て泣いたのも、ヒロトを見てビックリしたのもつじつまが合いますし...。(アツヤが生きてて嬉し涙、ヒロトがタツヤと全然似てなくて驚き)いつも応援しています！！ (2019年2月12日 3時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すごく場面場面が入ってきてとっても読みやすいです！続き楽しみにしています♪ (2019年2月11日 22時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
はずにゃん☆ - こんな感じの小説待ってましたー♪投稿頑張て下さい。 楽しみにしています！ (2019年2月9日 14時) (レス) id: f86bddf786 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年2月8日 17時
