申し訳ない ページ15
申し訳ない事に皿洗いをAにやらせ、身支度を整えた後に再び首領が待つ部屋へと足を運んだ。樋口は何故だか今回は入室を許されたらしく、困惑の色を浮かべながら僕達と共に通されるがまま部屋へと入った。
「やあ、朝早くから御苦労様。中国人って太極拳とか公園でやるんでしょ？君もやってた？」
「おはようございます首領。いえ、幼い頃は勉学にばかり励むような奴でしたので太極拳を習得していません」
呑気に手を振りながら冗談交じりに話し掛ける首領に対し、Aは大真面目にそう答えた。あの格好で太極拳をする姿というのは中々様になると思うのだが。なんて、アオザイに似たコートを見詰めながら常々そう思った。
あのやりとりがちょっとした挨拶程度だったのだろう、茶目っ気のある首領は早速本題へと入った。いつもならばもう少し本題から逸れた話を十分程するのだが、今回はそれが無い。恐らく、重ねて任務を任せたいと言ったところだろう。
「実はこんなものを貰ってね。使い道が無さそう…と言うよりもこんなものを君達に渡したら怒られそうだったからずっとしまってあったんだけど、君なら使えるだろうと思って」
「リンタロウ、私が着けあげても良い？」
「勿論だとも！」
首領がエリス嬢へ手渡したのは何の変哲もないヘッドホン。あれを僕達に渡した程度で何故怒られるのだと思ったのだろうか。それは樋口も同じことを思ったらしく、首を傾げていた。
エリス嬢がAの前へとやって来ると、Aは無言で跪きヘッドホンを着けて貰っていた。Aを羨ましそうに見つめる首領と、エリス嬢を羨ましそうに見つめる僕。果たしてどちらが全うなのか。考えるだけ野暮だ。
「きっと貴方に似合うわ、虎さん！」
エリス嬢の一言で、ヘッドホンが妙な機械音を鳴らす。何事かと思えばヘッドホンからは大きな尖った耳のようなものが現れている。さて、これはどう言った物なのだろう。巷で良く見る猫耳ヘッドホンなるものとよく似ている事だけは分かるのだが。
「ヘッドホンに見えるけど違うんだ。その耳の部分…なのかな、それがあらゆる小さな音を拾う。それが君の耳へ流れる。所謂聴力強化だね」
にっこりと笑いながら口にされた言葉の何と納得のいく理由か。だが、確かにこれを僕が渡されたとしたら言いようもない羞恥心を覚え何をするか分からない。首領のお考えに樋口と共に感心する他なかった。
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左目から鯖味噌(プロフ) - 司さん» 芥川にときめいて頂き有難う御座います。とても嬉しいです。これからもときめかせることが出来ると良いなあ…と思いつつ更新しております。最後はどうなるのか私自身余り分かっていない部分がありますが、見守って頂ければと思います。御感想有難う御座いました。 (2018年1月5日 14時) (
レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
司(プロフ) - 翻弄されつつある芥川の健気さがいとおしくてときめいております！このままもどかしい関係性の二人もたまりませんが、相思相愛になった時のいじらしさを想像するだけで胸が焦がれそうです笑。素敵な作品をありがとうございます。陰ながら応援しております。 (2018年1月1日 16時) (レス) id: 7ab5912443 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - クロりんごさん» そう言っていただけると嬉しいです。私自身、この芥川結構色々長く心の中で喋るな、程度には思っていたのですが矢張りそうでしたか。もう少し改行出来るように頑張りますね。今年もどうか温かい目で見守って頂けると幸いです。御感想有難う御座います。 (2018年1月1日 8時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - とっても面白くてこの作品大好きです！ですが、改行が少ないので読みにくい気もします。あくまでこれは私の意見ですので、なんとも言えませんが……これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年1月1日 7時) (レス) id: 8489cd9c31 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - 鞍さん» 芥川が分からないことだらけの男になっていないか若干の不安を覚えつつ更新をしていますがそう言って頂けると大変励みになります。有難う御座います。鞍さんの応援にしっかりと答えられる様な作品にしたいと思います。御感想有難う御座いました。 (2017年12月28日 12時) (レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：左目から鯖味噌 | 作成日時：2017年12月8日 21時
