触れない ページ28
翌日、乱歩とAはチェックアウトを済ませて京都の街を歩いていた。
「Aくんってさ、歴史とか好きだっけ?」
「ちょっと苦手です。」
思わず苦い顔をするAに乱歩は確かに君、暗記苦手そうだよね。と頷いた。乱歩の為に沢山の動物を覚えているのになんてことを言うんだこの人は。
「幾ら観光でも時間が時間だし一箇所だけだよ。」
「それくらい分かってますよ。」
たどり着いた場所に、何故此処なんだ。と思わずAは叫びそうになるが、寸でのところで思いとどまることが出来た。
乱歩に連れられて来た先は動物園。もっと動物を覚えて迅速な事件解決を求めた結果なのだろうが、思っていた場所と違う。神社だとか、何かもっとあったはずなのに。敦に何と言おうか。
まあ、そこが実に乱歩らしいのだが。ちょいちょい手を引いて奥へ奥へと進んでいく。きっと猛獣コーナーを探しているのだろう。
「あの、乱歩さん?」
「んー?」
連れてこられた先はふれあいコーナー。ただ自分が触りたいだけだこの人は。きっとAがあまり触らせてくれないから此処で発散をするつもりだ。
「うさぎって可愛いね。Aくん今度うさぎになってよ。」
「知ってましたか乱歩さん。ふれあいコーナーのうさぎとかって人間の莫迦な触り方のせいで骨折とかしたら肉食獣の餌になるんですよ。」
「今そんな事言わないで触れなくなる。」
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左目から鯖味噌(プロフ) - 結さん» 一夜と六夜しか未だ読めずにいますし、ひとつの夢と一夜の内容をかけたかったので夢一夜とサブタイトルを付けさせて頂きました主に短編、中編作品ばかり読んでいますが上手く物語に入れる事が出来るように頑張りたいと思います。コメントありがとうございます。 (2016年6月11日 12時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
結(プロフ) - 夢十夜ですね!私、大好きです!いつも応援してます。これからも頑張ってください。 (2016年6月11日 11時) (レス) id: df8cc1ba1e (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - Hiyoriさん» 感想ありがとうございます。楽しみにされた分、良いと思って頂けるような作品を作ることが出来たらな、と思っております。応援に応えられるよう、努力致します。 (2016年5月16日 23時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
Hiyori - 続きも楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年5月16日 22時) (レス) id: 4584690b17 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - konohaさん» いえいえ、お気になさらず。見て下さりありがとうございます。応援に応えられるよう、邁進致します。 (2016年5月15日 20時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:左目から鯖味噌 | 作成日時:2016年5月15日 17時