腹が立つくらい猛烈に２【日高光啓】 (ページ12)

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日「間違ったんだな、俺は」

そう、やっぱり告白なんてしなきゃよかった。
付き合わなくたって、俺たちはいつまでも隣に居て
笑って、泣いて、そうやってずっと一緒に……。
それでよかったはずなのに、欲を持ってしまった。

宇「何それ、次言ったらぶっ飛ばすから」

日「何で宇野にぶっ飛ばされないといけないの？」

宇「それって、貴方のこと好きになったことを
　無かったことにするって言ってるんだよ、日高くんは」

まっすぐに俺を見るその瞳は
ずっと見てるのに、何となく苦手だ。
真実を見透かして、隠したい気持ちを引きずり出されるみたいで。

宇「結末がどんな形になっても、無かったことにするなんてできない
　 …うぅん、しちゃいけない、忘れちゃいけない、絶対に
　貴方がどうして告白を断ったのか、日高くんは分かってるはず
　これから自分がどうしたいのかも…それを押し殺してるだけ
　間違えたなんて言わないで…貴方を幸せにしたいのは、誰？」

'' このままでいさせて ''

そう言ったはずのその瞳は、あまりにも悲しすぎて
何度眠っても、何度起きても、その瞳が忘れられない。

そんな顔させたくない、例えさせてしまったとしても
抱きしめて、肌に触れて、背中をさすって
「大丈夫だ」と、また君を笑顔にさせたい。

日「…俺しかいないだろ？」

俺は、貴方が好きだ。
とめどなく溢れて、止まらないほど
たまらなく、どうしようもなく、好きなんだ。

真「好きやねん、貴方のこと」

日「関係ないよ、」

泣いてた。
もう二度と、泣かせたくはなかった。

真「…追わんの」

日「…関係ないって言っただろ？」

真「…やっぱりな、」

日「何？言いたいことがあるなら言えば？」

真「あぁ言うたる、がっかりや、日高
　お前に…貴方を好きでいる資格なんてない」

上着も持たないで、貴方を追う真司郎。
家主のいなくなった部屋は、ひどく静まり返って
付けっ放しのテレビから、洒落たジャズだけが響いていた。

　