也川塗とそのお姫様

子猫 ページ19

塗side

俺の隣にいる貴方は、手にはめて口をパクパクさせる熊の人形で遊んでる
しかも厄介さんをいじりながら

あ:厄介さんは塗くんについてどう思いますか？

熊で話し掛ける貴方

厄:どうって…。まぁ、潜入調査の仕事は変装も含めて凄いと思うよ。中々本気で演技するのって難しいからね。

あ:それだけですか？

熊が首をかしげる

厄:だって、本人の前でそういう事言えないよ。

俺は貴方の手から熊を抜いて自分の手にはめる
そして同じように動かして

塗:じゃあ貴方はどう思ってるの？俺の事。

あ:そんなの決まってるじゃん。大好きだよ？優しいし格好いいし、優しくて格好いいもん。

塗:今同じ事２回繰り返しただけだよね？

あ:あ、本当だ…。そうだ、まくるちゃんは彼氏とかいないの？

ま:私？私は別にいないよー。だって最近の男は弱いもん。

掟:でもここに独身が３人もいますよ？あ、塗くんは除きますけど。

貴方が俺に抱き付いてきた
心配しなくても俺は貴方だけだって

絆:おっと、そうだ貴方ちゃん。傷口の具合を見なきゃね。はい、腕出して。

貴方ってばまた怪我したの
本当にドジっていうか、まぁ厄介さんより不幸な訳じゃないんだけど

厄:塗くん、何か言った？

塗:別に。

あ:あ、ちょっと塞がってきたかも。

絆:じゃあ新しいガーゼはっておこうか。…よし、これでオッケー。

新しい包帯を巻いてもらった貴方は、肘を曲げている

あ:肘だから曲げると痛いんだよね。

少し顔をしかめながら言う貴方

絆:まぁ、傷口が大分塞がってきてるし、その内痛みもひいていくよ。

あ:はい。ありがとうございます。

掟:貴方ちゃんはまるで子猫みたいですね。

今日子さんがふとそんな事を言った

ま:子猫？

掟:塗くんにいっつも抱き付いているし、塗くんも貴方ちゃんの事一途ですし。

絆:中々離れないもんねぇ。

厄:じゃあ塗くんは犬？

塗:何で？

厄:だって食べるから…。

ま:確かに！いっつも貴方ちゃんの事襲うしね。

塗:……///

俺は赤い顔を隠すために貴方の背中に顔を埋める

あ:塗ってば、恥ずかしがり屋さん♪

あははっと笑う貴方
俺は貴方の包帯部分を痛め付けないように触れ、ｷﾞｭｯと抱き締める

俺の可愛い姫→←ポムから必死のお願い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す