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子供18 ページ18

「っふ、そーみてぇだな」


眉を八の字に曲げ、諦めたように笑う銀ちゃん。


「悪い、変なこと聞いたわ。飯食おーぜ」


銀ちゃんは笑顔でそう言うと、座りながら立ち上がった私に手を差し伸べた。

迷わず銀ちゃんの手を取る。


「…家族に終わりはないよ、永遠なんだよ」


いじけながらおにぎりを頬張ると、晋助兄さんも私の隣に座り胡座をかく。


「諦めが悪ぃなぁA」


「なっ!晋助兄さんまで何言うつもり!?これは諦めるとかの問題じゃないの!」


「っクク」


「混ぜてくれ、俺も家族だろ?A」


ムキになって晋助兄さんに反論しようとしたところ、上から声がする。

見れば、小太郎兄さんが優しい笑顔を向けていてくれて。


「当たり前!!!家族!!We are family!!」


あぁ、この空気だ…。

懐かしい穏やかな空気。

私はこれを取り戻したかった、だから戦っているんだ。

この幸せな時間を…。

けど先生、やはり貴方がいないと完全とは言えません。

私たちの親である先生、どうか待っていてください。

必ず私たちは貴方を見つけ出し助け、またあの寺子屋で勉強をしたいんです。

また、一緒に肩を並べ笑いたいんです。





天人の死体。

この酷い匂いに、もう鼻が慣れてしまったのか。

そして、この戦争という場に、天人を殺すという状況に慣れてしまったのか。


誰かを傷つけ、殺し、命を奪うこの状況が嫌で。

ストレスを感じていた時期、私は過呼吸をよく起こしてた。

眠りは浅く、幽体離脱したように自分の姿が見える時もあった。

けど、今は。

躊躇がない。

それどころか、快楽が押し寄せてきている。

そのまま私を飲み込もうとしている。


「っひひ…次はどこ…」


笑いが込み上げてきて、手についた血が勝利の証に見えてくる。

興奮してきて、呼吸が荒くなる。


私は一直線に走り、両手に持った刀を振りまくった。

相手の的確な急所を狙う戦術だったはずなのに、その時の私は本能を見失い

我武者羅に振り回していた。

その時。


「Aっ!!!!!!」


その声でハッとなった。

力が抜け、刀を下ろす。

すると、目の前から三人の天人が走ってきて。

私めがけて刀を振り上げた瞬間、彼らは一人の男によって倒れた。

振り向いたその男に、肩を掴まれ揺さぶられる。


「また見失ってたのか、自分を!!!」


「ぎ、銀ちゃん…」

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年11月8日 23時

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