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子供11 ページ11

「あんたがそうさせたんすよ」


耳を疑った。

私は笑顔をしぼませ、真顔になる。


「そ、そんな…」


この人は、私の異名を知らないのだろうか。

冷酷な艶美だ。

無慈悲な心だと言われているのだ。

なのにそんな…。


「何言ってるんすか!謙遜しないでください!俺の目には、Aさんは優しい女の子に見えるんすから」


歯を見せ笑った彰さん。

不思議な人だ、そんなこと言ってくれるなんて。

まだ私の手を掴む彰さんの手が、徐々に熱を帯びていく。

チラッと彰さんの瞳を見れば、目を細め笑っていた。

その時。

私と彰さんの間に、真剣が振り下ろされた。

彰さんは勢いよく手を離したので、なんとか斬られずにすむ。

振り下ろした者を見るべく顔を上げると、酔った銀ちゃんが死んだ目で立っていた。

…昨日のことがあってから気まづくなっている時に、なんでこういうことするのかな。


「手出すんじゃねぇぞボンクラ。こいつは俺んだからな」


「は!?」


私が大声でそう言うと、銀ちゃんは強引に私の腕を掴んだ。

無理やり立たされ、スポッと彼の腕の中に収まる。


「ちょ、ちょっと待ってください銀時さん」


彰さんも立ち上がり、動揺した声で苦笑いする。

白夜叉と恐れられてる銀ちゃんに話しかけるなんて…。

その時。

ガシャンッと音がした。

銀ちゃんの腕を引っペがし、音の正体を確認する。

見れば、珍しく小太郎兄さんが泥酔したようで。

机ごとひっくり返してしまったみたいだった。


「小太郎兄さん何してるの…!?」


私は慌てて駆け寄り、近くにあった適当な布でこぼれた水やお酒を拭く。


「知っているかA!人類みなカツラなのだ〜!!」


何言ってるんだこいつ!!

周りの皆も慌てて拭くものを持ってきたり、割れてしまったグラスを片してくれた。

あの気まづい空気から抜け出せたから、思わぬハプニングだったけどタイミングがよかった。

内心そう思いながら瓶の破片を丁寧に取っていると、誰かが私の肩に手を置いた。


「危ねぇぞ」


「晋助兄さん…」


すると、彼は私の手首を掴む。

代わりに自分が破片を拾い始めた。

珍しい。

積極的にこんなこと普段やらないのに。


「銀時どっか行っちまったぞ」


「え?」


「見ろ、あの若ぇやつだけ置いてかれてるぜ」


振り向くと、彰さんが前髪を掴み歯を食いしばっている姿が見えた。

…どうしたんだろう。

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年11月8日 23時

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