翡翠 １８ 番外編 ページ18
「ゾムくんお野菜も食べなきゃダメだよ？」
「Aアーンしてや」
「はいアーン」
「やっば、Aが食わしてくれるとめっちゃ美味く感じんねんけど」
「絶対うそ」
ジト目で見てくるA。
しかしその顔も可愛いのでノーダメである。
まさかホンマにアーンしてくれると思わんかってん。
はしゃいでもうた。
「お返ししたろか？」
「いいです、シャオロンさんにやってあげてください」
「なんで俺？」
「あ、じゃあシャオさん口大きく開けてくださいよ」
「いやお前、なんでそんなお前の肉赤いねん。それ絶対タバスコの色やんけ！！」
「はいアーン」
「ぐっぶぅぁ、ぶぅぅぅ！！！！」
ビッチャビチャにタバスコをかけた肉を、無理やりシャオさんの口に突っ込む。
さっきAと二人っきりで話してた罰や。
涙と鼻水をダラッダラに流すシャオさんに一同大爆笑。
Aも泣くほど笑っているので良しとしよう。
「あ、ねぇねぇゾムくん」
「んー？」
ヒーヒーうるさい三人を他所に、小声で話しかけてきたAに耳を寄せる。
「今日の夜、一緒に星見ませんか」
「ッヒヒ、ええよ。デートのお誘いやんか」
「そう、デートのお誘い。屋上も綺麗だったけど、ここは街灯もないから星がうんと綺麗に見れるよ」
「楽しみやわ」
Aは星が相当好きになった。
再会を果たしたあの屋上で見た星が忘れられないのだとか。
二回ほど忍び込んで見に行ったが、もうあの高校の屋上へ踏み入ることは出来ない。
もしかしたらそれを思い出したくて、それ以上を超えるものを見たくて、山のキャンプに行きたいとせがんだのかもしれない。
「私も楽しみ」
「うっかり寝んようにな」
「っふふ、気をつけなきゃ」
可愛らしく頬を染めるAに微笑みかける。
身長の低い彼女が上目遣いで見てきたので、堪らずおでこにキスを落としてしまった。
「あー！何イチャイチャしとんねん！こっちは大変やねんぞ！！」
「シャオちゃんもっと食いや！まだ肉あるで！」
「そやぞシャオロン！もっと食え！」
「もう嫌やぁぁあ！！！！」
俺が発明したタバスコ肉はどうやら流行ってしまったらしい。
二人が面白がりシャオさんの口に詰めている。
軽い拷問を目の当たりにし、Aが眉を顰めて苦笑いをした。
「ゾムくんが事の発端なんだから何とかして」
彼女の絶対命令に従い、俺はタバスコの瓶を鬱さんとシッマさんの口に咥えさせたのだった。
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名前はまだ無い - 完結させていただきありがとうございました!! (2023年4月5日 23時) (
レス) id: 4665dec082 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだ無い - 数年前の投稿にコメント失礼します。シリーズ全て見させていただいたのですがとても好きです。夢小説としても好きなんですが、シチュエーションから言葉選びまでその場を想像できるような文才に惹かれました。学生を終えてしまった身なのですごく染みます…｡ (2023年4月5日 23時) (レス) @page20 id: 4665dec082 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - お”ぉ”ん”っっずきっっだいずぎっっ (2022年3月28日 15時) (レス) @page20 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 桜さん» 桜さん！コメントありがとうございます！！読んでくださり誠にありがとうございました！！ (2020年7月3日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 番外編完結おめでとうございます！！シリーズが始まった頃から割と見ていたんですが、本当にいい物語です！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: 62683d4e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月26日 11時
