翡翠 １１ 番外編 ページ11
その後も、啄むようなキスを何度も繰り返した。
次第に熱が篭ってきて、二人の体温が上がってくる。
「…かわい」
ゾムくんが少しだけ離れ、そんなことが呟かれる。
また胸がドキッ、と。
息が苦しい、上手く呼吸ができないほど緊張してる。
ゾムくんの濡れた翡翠色の瞳は色っぽく揺れていて。
思わず目を逸らし荒い呼吸を整えようとすると、今度は顎を軽く掴まれて無理やり顔を向かされた。
「こっち見てや、俺の目見て」
「ゾ、ムくん…」
「好きやで」
ブワッと何かが込み上げてくる。
胸が苦しくなり愛しいと思う感情が溢れてくる。
「私も好き、大好きだよ」
精一杯の笑顔でお返しの返事。
今度はゾムくんが照れたように頬を少しだけ染めた。
落ち着いてきた私の背中をゾムくん手が優しくすべる。
クスッと笑いかけるように目を合わせると、ゾムくんも目を細めてくれた。
☕
〜zm side〜
飯を作るのは苦じゃない。
むしろ友達に弁当を渡すほど出来る。
だからこのお泊まり会でもその腕を生かし、Aに何を振舞ってやろうか考えていた。
けどそれはAも同じだったようで、一緒にスーパーへ買い物に行った際に「何食べたい？私が作るよ」と柔らかく微笑まれてしまった。
Aに座ってて欲しいから自分が作るor初めてのAの手料理を食べる。
チン、と頭の中で天秤が傾き、すぐ「ハンバーグでお願いしやす」と口に出していた。
いや食いたいやん、彼女の初手料理。
噂によれば、というか鬱さん曰く。
Aはお母さん譲りの料理好きでとっても上手らしい。
小、中学生の頃、昼など母親がいないと代わりにAが作ってくれていたとか。
自慢げに話された時は殴ってやろうかと思ったが、流石にAの兄だと知っているのでそれは出来なかった。
あのシスコンいつかしばいたる。
「ハンバーグかぁ、何ハンバーグがいい？」
「Aが作ってくれんのやったら何でもええよ」
「じゃあ二種類作ろっか！チーズハンバーグと、煮込みハンバーグ」
「マジ？大変やない？」
「たくさん時間あるからいけるっ！」
あー張り切ってるA可愛すぎんか。
横目で無邪気に笑うAをついついガン見する。
それに気づいた彼女は首を傾げたので、誤魔化すように買い物かごを奪い取った。
「アイス買お。食後のアイス」
「アイス！いいねいいね！」
「俺何にしよっかな〜」
「雪見だいふくにする」
「おっ、じゃあ俺はパピコ」
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名前はまだ無い - 完結させていただきありがとうございました!! (2023年4月5日 23時) (
レス) id: 4665dec082 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだ無い - 数年前の投稿にコメント失礼します。シリーズ全て見させていただいたのですがとても好きです。夢小説としても好きなんですが、シチュエーションから言葉選びまでその場を想像できるような文才に惹かれました。学生を終えてしまった身なのですごく染みます…｡ (2023年4月5日 23時) (レス) @page20 id: 4665dec082 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - お”ぉ”ん”っっずきっっだいずぎっっ (2022年3月28日 15時) (レス) @page20 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 桜さん» 桜さん！コメントありがとうございます！！読んでくださり誠にありがとうございました！！ (2020年7月3日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 番外編完結おめでとうございます！！シリーズが始まった頃から割と見ていたんですが、本当にいい物語です！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: 62683d4e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月26日 11時
