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子供46 ページ46

昼間に行くと、平日なので会えない。

なので、蒼くんのお母さんに事前に連絡を入れ、蒼くんの夜までの外出許可を貰った。

家まで送ることを条件に許していただいたので、準備はバッチリだ。

そして。

夕方過ぎ頃、私たち三人は蒼くんの実の父に会いに行く。

顔を俯かせる蒼くんは、緊張しているのかずっと無言だ。

その様子をチラッと見た総悟くん。

彼も何も言わず、蒼くんの歩幅に合わせて歩いてくれた。


目的地に到着した。

「ここだね」と声をかけると、蒼くんはさらに口を固く結ぶ。

かなり緊張しているようだ。


「蒼くん、行けそう…?」


優しく、小声でそう声をかける。

ハッとなったのか、慌てて笑顔になる彼。


「だ、大丈夫!パパに会いたいもん!会ったら、ありがとうって伝えるんだ!」


声が震えている。

すると、総悟くんが急にプッと吹き出した。


「なぁにビビってるんでィ。おめぇも男だろ、早く行くぞ」


「は、はぁ!?ビビってなんかないから!もう行く!!!」


総悟くんの煽りがいい方向にむいてくれたのか、蒼くんは威勢がよくなった。

家の扉まで猛ダッシュ。

私たちも急いで追いつくと、すでにインターフォンを押そうとしていた。


「ちょ、蒼くん!もういいの!?」


「すいませーん!赤坂ですけどー!!」


「ってもう押しちゃってるし…!!」


ピョンッと飛んで押し、すぐ大声で名乗る蒼くん。

一歩引いて総悟くんと顔を合わせれば、総悟くんはニヤリと笑っていた。


「…お待ちください」


女性だ。

機械音で聞こえた声は、女性だった。

その声に蒼くんも反応する。

微妙な間をあけ、小さな声で聞こえた。

きっと、「赤坂」という苗字にピンときたのだろう。


「お姉ちゃん…」


私は蒼くんの隣に行き、彼の手をぎゅっと握った。


しばらくすると、ドアが開いた。

顔を出したのは笠神夫婦。

旦那の方は蒼くんの顔を見ると、眉を八の字に曲げ目に涙を溜めた。


「蒼…かい?」


「…父ちゃん?」


蒼くんにとっては初対面の男性だ。

体をこわばらせ、眉間にシワを寄せる。

その様子を見た父親は、悲しげな表情へと変わった。


「大きくなったなぁ…」


それは独り言のように囁かれたセリフ。

笠神さんは、蒼くんに会えて嬉しいようだが、蒼くんに向かって伝える事は出来ないみたいだ。

…蒼くんがこの反応じゃ、そうなるよね。

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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