子供39 ページ39
「で、出来ました!」
そよ姫様が嬉しそうに声を出した。
一般家庭で振る舞われるような昼食メニューが完成した。
味噌汁や焼き魚、お漬物に玉子焼き。
栄養たっぷりかつあっさりしたバランスになっている。
彼女は自分自身で全てを作れた喜びをかみしめながら、お盆に並べていった。
「まさか私がこんな素敵なご飯を作れるなんて思いませんでした!本当にありがとうございました!」
「そんな!顔をお上げください!私は何もしてませんから」
慌てて私も頭を下げれば、そよ姫様は優しく微笑んでくださった。
誰かに自分の作ったものをプレゼントしたり、食べてもらったりするのは気持ちのいいものだ。
美味しいと言って貰えたら、尚更。
きっと、将軍様は言ってくださるだろう。
そよ姫様はワクワクしながらお盆を持ち、将軍様のお部屋へと行ってしまった。
「いや〜、Aちゃんのおかげで今月は食ってけそーだわ、あんがとさん」
一通り片付けを終えると、銀ちゃんがポンっと頭に手を乗せてきた。
「はぁ…給料は折半だよ。いや、八割くらい私が貰ってもいいけど」
「あぁ!?何言ってんだよだめだめだめ!水道止められちまうんだよ、な?頼むよ!」
「はぁ!?今日何してたの銀ちゃん!ボーッとしてつまみ食いして、またボーッとしての繰り返しだったじゃない!」
「つまみ食いじゃねぇ!毒味だ毒味!!」
「なっ…!!私が毒入れたとでも!?」
このダメ男は!!!
ギャーギャー喧嘩していると、そよ姫様がダダダっと無邪気に走りながら帰ってきた。
頬を淡く染め、ニッコリ笑顔だ。
上手くいったみたい、かな。
「Aさん聞いてください!お兄様がもう一度食べたいとおっしゃってくれたのです!!また作って欲しいとおっしゃってくれたのです!!」
「わぁ!じゃあ大成功ですね!!」
「こんな気持ち初めてです…!また教えてください!!」
「もちろんです!」と負けじと返事をする。
無邪気で可愛らしいそよ姫様。
穏やかで、子供心を大事にしていらっしゃるそよ姫様だからこそ、作れた優しい味。
これからも続けて欲しいと密かに思う。
「娘ができたら、あんな感じなんかね」
隣に立った銀ちゃんが、そっと呟く。
「さぁ、どうでしょうね」
曖昧な返事をして、その会話は終わった。
私と銀ちゃんのあいだに出来た子は、どんな子何だろう。
どんな家庭になるのだろうか。
226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時