子供6 ページ6
「女のお前は残れ」
季節は何度も巡り、私は十六になった。
寛政の大獄の折、幕府により松陽先生が捕縛された。
消えていく背中に何も出来ず、叫ぶことしか出来なかったあの日。
私たちは、攘夷戦争に参加することを決意した。
けど、強くなった私を認めてくれない男が一人。
「女だから残れって、それおかしいと思うんだけど」
銀ちゃん。
そう言えば、彼は幼い頃と何ら変わらない態度で舌打ちをした。
「はぁ…お前なぁ。いくら俺と対等にやり合えるからって生身の女をノコノコ連れてくバカがいるかよ」
「対等にやり合えるならいいじゃん。ねぇ、晋助兄さんからも何か言ってよ」
私より少しだけ背の高い隣に立つ晋助兄さんに、助けを求める。
腕を組み更に凛々しくなった瞳を座らせた。
「過保護過ぎんのもどうかと思うぜ。やっぱ銀時は女の扱いが分かってねぇな」
「それとこれとは違ぇだろうが坊ちゃんよぉ、あぁ?守れる余裕があるか分かんねーから行かせたくねぇんだよ」
私をチラッと見て、溜息をつく銀ちゃん。
な、なんでため息…。そんなに私と一緒に行くの不満ですか。
「銀時の言い分には一理あるが、A一人の戦力はデカいと思うぞ。それくらいの実力を持ってることは、銀時が一番よく分かってるはずだろ」
私の背中を押してくれる意見を言ってくれた小太郎兄さん。
けど、それでも納得のいかない様子。
「あのなぁお二人さん、別に俺はAが弱ェから言ってんじゃねーんだよ。実力?んなの分かってるっつの。じゃなくて言ってんだろ、守れる自信がねぇって」
「銀ちゃん、あのね」
姑みたいにブツブツ小言が止まらない銀ちゃんに、被さるように声をかける。
私の声が届いた彼は、口を閉じた。
「私は、守られるために行くんじゃないの。皆を守るため、先生を助けるために行くの。その為に強くなった。こんな所で足踏みして待てるほど可愛くないの。分かるでしょ、銀ちゃんなら」
これが、今の私の本音だ。
昔から強くなる皆の背中が好きだった。
同時に置いていかれるのではないかと、不安もあった。
必死になって刀を握り練習をした。
今その強さが、皆を守れると言うなら利用したい。
真っ直ぐ、彼の瞳を見る。
すると、諦めがついたのか大きく息を吐いた。
「わーったよ…その代わり、死ぬなよ」
「うん。分かってる」
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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
狼 - すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時