子供扱い【坂田銀時】

子供１５ ページ15

なぜ今まで銀ちゃんに会わなかったのか、不思議だ。

私が江戸に来た頃には既に、万事屋銀ちゃんとして名を広げていたという。

部下は志村新八君、夜兎族の神楽ちゃん。

そして、大きな犬の定春。

三人と一匹で、暮らしているらしい。


「俺ん家に連れて行きますけど、それでもいいんですかー」


「もっとダメだろ！」


「じゃあ部屋貸せよ！！」


ガミガミと言い合っている二人。

すると、総悟君が私の手を掴んだ。


「行きやしょう、姉さん」


「え、ちょ、どこに」


私は総悟君に無理やり引っ張られた。

歩き出してしまったので、そのまま私も連れてかれる形に。


「っておい！総一郎君！？Aどこに連れてくつもりだよ！！」


土方さんの胸ぐらを掴んだまま、こちらを見る銀ちゃん。


「総悟でさァ旦那。副長の相手でもしてやってくだせィ」


「いや行くなよ！！待て、A！！！」


そのまま私は強引に、彼の自室へと連れてかれた。


着けば優しく手を離してくれて、座らせられる。

机を挟んで真正面に総悟君は座り、私の顔を伺った。


「で、旦那とはどういう関係で？」


「あ、えっと…昔の友達というか」


「にしては、仲良すぎじゃねぇですかィ？泣くほどの再会だとしても、何も飛びつくなんてな…まさか、旦那の女だったんですかィ」


「ななななな、なわけないじゃん！！女！？いやいやいやないない！！」


銀ちゃんが彼氏、なんて。

想像出来な…くはないか。

って、何考えてるの私！？


「ま、どっちにしろ近づけさせたくねぇなぁ」


「どうして、ですか？」


「万事屋は疫病神ですぜィ。近くにいりゃ厄介な事にしかならねぇ。危ないんでさァ」


万事屋が、危ない。

何だそれは。

全く想像つかないが、銀ちゃんの事だから何かあるのだろう。

夜兎族の女の子もいるし…。

戦力としてはかなり大きい。


「でも、銀ちゃんと久しぶりに再会したわけですし、一度くらい会ってもいいですよね…？」


「その銀ちゃんってなんですかィ。俺のことも総ちゃんって言ってほしいなぁ」


「え、えぇ…」


ニヤリと笑う総悟君は、意地悪だ。


自分で万事屋の場所を探して、尋ねるしかないようだ。

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