あなたに贈る花束【坂田銀時】

花束４８ ページ48

「Aは、やっぱり俺のこと好きなの？」


「え！？」


なにそれ、と思いつい大きな声を出してしまった。

他にお客さんもいないし、今日は総悟もいないから大丈夫なのだが。

いきなり変なことを言う銀さんに戸惑う。


「だから、俺の事好きなのかって」


「そ、それは…だって」


何か、試されてるのかな、私。

改めて「好き」と言うのは、なかなか恥ずかしいものがある。

実際、銀さんにもちゃんとは言われたことはない。

私もはっきりと口に出したことはないけど…。


「はーやーくー、イエスかノーじゃねーかよ」


「す、好きです！好きですよ！」


半分やけくそな気もするが、勢いでそう言ってしまった。



その瞬間。



思いっきり、顔の前に薔薇の花束が現れた。

ビックリして一歩下がると、今度はキラッと光る何かを、その薔薇の中から見つける。




その光ったものの正体が分かると、胸がこれでもかと思うほど締め付けられた。

ま、待って…。






「俺も好き。すげぇ好き。だから、俺のお嫁さんになって」






涙が止まらなかった。

私の涙は薔薇の花びらへと落ち、花たちはキラキラと輝きだす。









「はい…なります」







花は


人を笑顔にさせるもの。


花は


心を満たしてくれるもの。


花は


普段伝えられないものを、伝えられるもの。


けど


それ以上に幸せをくれたのは


坂田銀時さん、貴方です。


ずっとずっとずっと

貴方の側にいたい。





私の幸せの花束、貴方に贈っても良いですか？

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