花束17 ページ17
「待てよ!!!A!!!」
静まり返った4人に頭を下げ、飛び出して出て行ったAを追いかけた。
走るAに追いつき腕を掴むと、強く振り払われた。
「ごめんなさい。今日はもう1人にさせてください」
「聞くつもりはなかった。言うつもりなんてなかったんだよ!」
「分かってます!坂田さんが軽率にそんなこと言う人じゃないってことは!でも、もういいですよね。さっきので終わりです、本当にすいませんでした」
彼女は俺にポケットから出したハンカチを無理やり押し付けると、そのまま走って行ってしまった。
何やってんだ俺…。
俺の失言で怒らせたのに、悪くない彼女に謝らせてしまった。
俺が悪いのに、だ。
前髪を掴み、その場でしゃがみ込む。
通り過ぎて行く東京の人々は、俺を見て見ぬふりをしてすれ違う。
まじで、なにやってんだ。
次の日、仕事に行けばヅラに質問攻めにあった。
隣にいたヅラには会話は聞こえていなかったらしい。
そんなことはどうでもいいんだ。
どうしたらいい。
こんなに彼女と会っているのに、まだ連絡先を交換していない。
つまり、謝罪は会わないとできない。
いや、それが当たり前か。
メールで謝るなんて失礼すぎるよな。
それに、ハンカチ返さなきゃだよな…。
きっと、水をぶっかけちまったからくれたんだろう。
どこまで優しいんだよ、あいつ。
「今日の坂田さん元気ないですね…大丈夫ですか?」
昼食の時間。
1人で会社の近くの公園のベンチに座りコンビニ弁当を食ってたら、多田が俺に近づいてきた。
勝手に俺の隣に座り、自分の手作り弁当を広げる。
「そうっすか?いつも通りっすよ」
「でも、オフィスでもため息ばかりでしたし、桂さんにも質問攻めに遭って…」
「別に、本当に何もないんで」
つい、大きい声を出してしまった。
ハッと思い多田を見れば、なぜかニコニコと笑っていた。
「これ、食べますか?元気出ますよ」
多田が箸で俺の目の前に出したのは、はちみつレモン。
薄く切られたレモンにはちみつがかかっている。
「はい、あーん」
「自分で食べてくださいよ」
「えーいいじゃないですか」
「っはは、俺彼氏じゃないっすよ」
「じゃあ、彼氏になってください」
俺はヘラヘラと作っていた笑顔をやめた。
隣を見て、もう一度わざとらしい笑顔を向ける。
「無理っす」
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時