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花束22 ページ22

でもなぁ…。

もし人違いだったら。

本人だとしても、いったい何を聞くんだ。

Aの元カレですか?って聞くのか?

それは無理だ。やめよう。

図々しく2人の関係に足を突っ込んでいいものではないだろう。

俺は俺だ。

正面からぶつかっていくのが筋だ。

色々な考えが廻ったが、結局俺は彼の詮索は諦めることにした。

…といっても。

この先もずっと写真の男の事は気になるだろうしなぁ。

誰なんだよ。まじで。



会社に行くと、多田がいた。

オフィスに入るには一枚のドアを開ける必要があるのだが、そのドアはガラスの窓がついている。

そこからちらっと見えた光景に驚いた。

ソファで多田が寝ていたのだ。

服装はラフな格好のパーカーにジャージのズボン。

普段、完璧にしている多田からは想像できない姿だった。

おいおい、泊りで残業か?…いや、違うな、ありゃ。

最近、課長がえらく多田を気に入っている。

何度か多田を呼んでいるのを見たことがある。

俺はそっとドアを開け、彼女が寝ているソファに近寄った。

化粧は落としていないのか。

アイラインだのマスカラだのが乱れていた。

今起こしておかねぇと、ひどい顔で仕事することになんだろうな。


「多田さん、起きてください」


肩を何度か叩くと、小さな声で唸って目を覚ました。


「坂田さん…?」


「そうそう、坂田さんです」


「っえ!?!?」


急に大きい声を出し、纏っていたタオルケットを頭からかぶった多田。


「ななななななんで坂田さんが!!」


「もう遅いっすよ、顔見ちゃってますから。それより、出勤時間の一時間前っすから、今のうちに服とか顔とか…」


苦笑しながら自分の荷物を置くと、顔を真っ赤にし出て行ってしまった。

意外と人間的な面もあるんだな…。


少しの間彼女を待つついでにPCを覗いていると、やはり予想は的中していたみたいだ。


「これ、課長の仕事っすよね」


返ってきた多田に声をかけると、眉を八の字に曲げ、困ったように笑った。


「よくあるんです。ここ最近、女性社員を狙って仕事を押し付けてくるらしくて。上司ですし、下手なことは言えませんし…」


仕方ないと、諦めているのだろう。


「もう皆さん来ますよね、今日も頑張りましょう坂田さん」


整えられた化粧と髪型は、いつもの多田だったが、目の下にはクマができていた。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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