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花束2 ページ2

「まじかよ…こんなとこにあったのか」


女の友人がメールで送ってくれた地図を頼りに来てみれば、俺の近所だった。

なんつーか。すげぇ柔らかい感じだな。

表にはお勧めの花たちが並んでいて、ガラス張りの建物は、薄っすらと外からでも店内が覗ける。(外からでも分かるほど店内は花でいっぱいだ)

レトロ、というのが正しいのだろうか。

どの年代でも気軽に入店できる、少しお洒落な花屋という印象だ。

…悪くねぇ雰囲気だな。

俺は不思議と好奇心なんてものを抱きながら、店内へと足を踏み入れたのだった。



その人の声は、少しだけ高めの愛らしい声だった。

ゆったりと話し、とても落ち着くような。

ふわふわの髪質は、派手じゃない茶色に染まっている。

まつ毛は長く、瞳も大きい。

背は俺より10センチほど低く、似合った紺色のロングスカートをはいている。


「いらっしゃいませ」


俺にだけに向けられたその声を聴いた俺は、時が止まったように感じた。

おいおい、教えてもらって大正解なんじゃねこれ。

すげぇタイプだ。


「どんなお花をお探しでしょうか」


目が綺麗な半円を描き、彼女自身が花のようにパッと笑顔を咲かせた。

見惚れていた自分に驚いたが、すぐに目的を思い出し彼女に伝えた。


「誕生日プレゼントに…」


「そうなんですね!失礼ですが、彼女さんに?」


「いません!!彼女なんていないっすよ!!」


「そうなんですね!失礼いたしました。素敵な方だからてっきりいらっしゃるかと…」


クスクスと控えめに笑う彼女は品がいい。

嫌味のない笑顔のせいで、分かっていてもその言葉の意味を真に受けてしまう。

すげぇ可愛い。


「では、ご家族の方か、ご友人ですか?」


「あ、あぁ…友人です」


「かしこまりました、ただいまおすすめの商品をお持ちいたしますので、どうぞ店内をご覧になってお待ちください」


深く頭を下げ、奥へと姿を消していった。

やべぇよ俺…。いつものノリが取り戻せねぇ。

普段なら、女性相手でも下ネタかませるくらいには余裕があるのに。

自分を偽ってでも、よく見せたいと思ってしまう。

俺らしくねぇな…。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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