先生45 ページ45
「え、えぇえ!?」
「えぇえってお前…。なにこれ、もしかしてこれセクハラになるの?俺ヤバイ?」
「い、いやそうじゃなくて…」
そんなこと聞いてくるとは思っていなかったから、驚いてしまったのだ。
「で、どうなの?」
「ち、がいますよ…。あの時総悟が言ったことは嘘ですし、キスも事故です」
多分、あの日。
川田さんと先生が一緒に帰るところを目撃した私と総悟の接し方を見て、そう思ったのだろう。
実際に総悟は「こんな風に付き合っている」と言って、私の手を握ったし。
き、キスまで…。
私は誤解されたくなくて、訂正したかったけど出来ずにいた。
だからハッキリ言いたかった。
けど、総悟に告白されてしまった今、同様の色は隠せずに声音が怪しくなってしまった。
どんな答えが返ってくるのかビクビクしていたら、先生はすんなりと口を開いた。
「いやーな、沖田が俺と桜田は付き合ってねーからってわざわざ俺のところに言いに来たんだよ。じゃあ、本当に付き合ってはねーんだな…ふーん」
総悟が、言いに行った…?
その時、ギュッと心臓が締め付けられた。
私のためを思って、言いに行ってくれたんだ。
総悟が誤解を解きにわざわざ…。
込み上げてきた何とも言えない感情に、鼻の奥がツンとする。
「んで俺に言ったのか分かんねーけど、ちょっと助かったわ」
「へ?」
「なんでもねーよ。で、次はどっち?」
「あ、左です」
先生がなんて言ったのかは聞き取ることが出来なかった。
けど、総悟が私を思って誤解を解いてくれたのは分かった。
ごめんね、総悟。ありがとう。
これ以上遠回りしていたら、先生にも迷惑がかかると思い、私は素直に先生に道を教えた。
家の前まで車を走らせてくれて、降りるときにはドアを開けてくれた。
「本当にありがとうございました」
深く頭を下げれば、先生は目を細めた。
「お大事にな」
「はい…あの、先生。私も聞きたいことがあるんですけど」
ここで。今このタイミングで。
聞いていいのか分からないけど。
でも、今しかないとも思った。
先生は首を少しだけかしげ、「ん?」っと声を漏らす。
私は深呼吸し、先生の瞳を真っ直ぐと見つめた。
「先生は、川田さんとお付き合いしているんですか」
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時