先生43 ページ43
「わ、りぃ…俺なにしてんだ…」
そんな彼の動揺した声と同時に、手は離された。
先生は立ち上がり、私に背を向ける。
私の右手には、まだ彼の体温が微かに残っている。
先生の後ろ姿を見つめていると、彼はドアに手をかけた。
「一時間保健室で休んでろ。授業終わりに迎えに来る」
そう言うと、ドアをスライドさせ、出て行ってしまった。
まだ忙しなく動く私の心臓。
そのままソファに寝転がり、考える。
なんだったのかな…。
先生は、川田さんと付き合ってるはずなのに。
なのに、なんであんなことするの…。
もう訳が分からなくなってきた。
先生は、私をからかっているのだろうか。
☕
「A!」
「はい!」
大きな声で名前を呼ばれ、ビックリして思わず飛び起きる。
瞬間、足に激痛が走り歯を食いしばる。
「おはよーございやす。大丈夫かよ足」
ぼやけた視界でもはっきり分かる。
ソファの横でしゃがみ込んでいる総悟。
先生が総悟に行かせた、でいいのかな。
きっと迎えに行けと先生が総悟に頼んだのだろう。
「う、うん…。ありがとうね」
ソファから降りようとすると、すかさず総悟が手を伸ばしてくれた。
迷いなくその手を握る。
すると、驚いたのか総悟は目を見開いた。
「どうしたの?」
まだ座ったままの私は総悟の手を握りながら、首をかしげる。
総悟は私から目をそらし、頬を染める。
え、ちょ。
こんなのいつもやってること…。
改めてそんな反応されてしまうと、こっちも照れてしまうのだが。
少しの沈黙にしびれを切らした私は、手を離そうとする。
けど、それは総悟によって阻止される。
「もう、どうしたの?」
少し笑ってそんなことを言えば、今度は真っ直ぐと瞳を向けられた。
グッと引き寄せられ、私も目をそらせなくなる。
力強いその行為に、総悟も男の子なのだと再認識する。
ドキッと心臓が跳ね、彼を意識してしまう。
総悟の手って、こんなに大きかったっけ…。
「好きだ」
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時