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先生41 ページ41

あー…もう、どうしよう。

きっと目は真っ赤だし、多分私のクラスの授業は国語。

坂田先生の授業だ。

考えたくないのに、やっぱり思うのは先生の事で。

そんな自分が嫌になって、また涙がこみ上げてきた。


「見っけた」


その時だった。

今、一番聞きたくなかった声が、上から降ってきた。

ゆっくりと顔を上げると、そこには


「桜田さーん、サボりってどういうことですか〜」


ニヤリと口角を上げた坂田先生が立っていた。

ほんのりと鼻をくすぐる、白衣からする煙草の匂い。

顔を見られたくなくて、思いっきり顔を伏せると、腕を掴まれた。

無理やり、でも優しく立たされ、そっと覗かれる。


「おいおい、んで顔見せねーんだ…って、お前」


そこで先生は言葉を詰まらせた。

そのまま視線を下に移して、今度は眉を八の字にさせた。


「足怪我してんのか」


多分、私が泣いていたことは気づいた。

けど、あえて理由は聞いてこなかった。

やっぱり、先生は優しい人だ。

頷いて見せると、グイッと腰に手を当てられた。

ビックリして先生の顔を見れば、そのまま私の体が彼の腕によって持ち上がる。

つまりは、お姫様抱っこというやつだ。


「せ、先生!!??」


「銀ちゃん号出発いたしまーす。手や足を出さないでください。あ、あと掴まってくださーい」


気の抜けた声で歩き出した先生。

小声で「授業中だから静かにな」なんて囁かれてしまい、心臓が破裂しそうだ。

先生は下駄箱まで私を連れて行き、そっと降ろしてくれた。

そして、私に靴の場所を聞き出し、上履きとローファーを履き替えさせてくれた。

私の目の間に跪いて、そっと手を添え上履きを右足にはめてくれる。

その行為はまるでシンデレラの様で。

顔がどんどん熱くなっていくのが、自分でも分かった。

そしてもう一度彼は私をお姫様抱っこして、静かな廊下を歩きだした。

生徒の教室は二階からなので、一階を歩く私たちは誰にも見られないまま保健室に着く。

両手が塞がった先生の代わりに私がノックをするが、向こうから返事が返ってこない。

そっと扉に手をかけ、先生が横に歩いてスライド式のドアを開けると、保健室の先生はいなかった。


「あ、そういやつっきー先生出張だったっけな」


運がいいのか悪いのか。

先生と二人っきりになってしまった。

ドアを閉めて足を進める。

そして、近くのソファにそっと降ろされた。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時

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