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先生39 ページ39

次の日の昼休み。

総悟には用事があると言い、一緒に食べるのを断った。

そこまでするわけ。

ここに、来るためであった。

神威君に指定された場所は、体育館裏だった。

雨が降ったわけでもないのにじめじめとしていて、決して居心地がいいとは言えない。

本当にこんなところに彼女が来るのかな。

彼女とは、もちろん川田 真美子さん。

繋がりのある神威君に頼んで、彼女に会いたいと交渉した。

川田さんになんて伝えてくれたのかは分からないけれど。


五分近く立って待っていると、お目当ての人は優雅に現れた。

繊細で綺麗な黒髪をなびかせ、長いまつ毛を伏し目がちに揺らす。

モデルさんの様なスタイルと立ち振る舞いに、思わず目が奪われる。

綺麗な人…。


「貴方ですか?桜田Aさんは」


これを鈴を転がしたような声と言うのだろう。

弾むような可愛らしい高い声に、女の子らしさを感じる。


「はい、そうです。急にお呼びしてすいません。川田さんにお聞きしたいことがあって…」


あくまでも冷静に。

そう思うのに、足が震えだす。

緊張からなのか、声も心なしか震えていた気がする。

そんな私を見て不思議に思ったのか怪訝な顔をした彼女だったが、すぐに切り替え笑顔で頷いてくれた。

噂よりいい人そうだが。

…どうなのかな。


「貴方と…その、…」


戸惑い言葉に詰まる。

せっかく来てもらったんだ。

言わなきゃ。

私は一度深く息を吸った。

そして、彼女の澄んだ瞳を真っ直ぐと見つめた。


「貴方と坂田先生の関係を、教えていただけませんか」


どんな答えが返ってくるのか、全く想像が出来ないわけではない。

むしろ色々考えてきた。

最悪の展開も。

そうならないでほしい…。

答えを待っていると、彼女は顔を伏せる。

すると、今度はクスクスと笑いだした。


「私と坂田先生の関係、ですか。貴方は確か、一昨日沖田君と一緒にいた女子生徒ですよね。気になるのは分かりますが、沖田君の彼女である貴方がそれを知って何になるんですか」


顔を上げた彼女の目は、笑ってはいなかった。

それでも口角を上げ明るい声で告げる。


「私は総悟の彼女ではありません」


「キスまでしていたのに、ですか?」


「それは今関係ないですよね」


「では質問に答えてください、貴方が私たちの関係を知って何になるんですか」


冷静に淡々と言葉を並べる川田さん。

私は…。私は…

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時

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