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先生24 ページ24

「あんた、誰…」


蹴られた大沢君はゆっくりと立ち上がり、膝についてしまった泥をはらった。


「土方十四郎だ。お前が噂の大沢君か。髪切ったかなんかで女子人気高ェらしいな」


「別に…俺は桜田さんが短髪の方がよかったって言ったから切っただけだ」


私が短髪の方がよかったって言ったの、聞こえてたんだ…。


土方君は大沢君に向き合ったまま、後ろで腰を抜かしていた私に手を差し伸べた。

迷わずその手を取り、立ち上がる。。

…ど、うしよう。

まだ手が震えてる。

すると、その震えが伝わってしまったのか、彼はギュッと握ってくれた。

不思議と手の震えが収まっていき、冷静を取り戻していった。

かっこいいところあるんだね、土方君。

私をかばうように背中に隠す。


「そんだけ好きな女傷つけんのは、おかしいんじゃねーのか」


土方君の低い声が、人気のない中庭に響いた。

すると、急に大沢君の顔が真っ赤になった。

ど、どうしたのかな…。


「ごめんね、桜田さん。俺別に、あんたを傷つけたかった訳じゃなくて…」


前髪を掴み、悔しそうに歯を食いしばる。


「お、俺は…」



「可哀そうに、利用されてたんだよね」



その時。


後ろから、聞き慣れた声がした。

私と土方君は振り向くと、そこにはニコニコと手を振りながらこちらに近づいてくる神威君の姿が。

私達と大沢君の間まで歩いてくると、大沢君の方に首だけを向けた。


「川田 真美子。桜田さんが好きだった大沢、君はその女に脅されてたんでしょ?」


な、なにを言って…。

話についていけていない私を置いて、神威君は次々と言葉を並べていく。


「川田は、大沢が桜田さんのこと好きなこと知ってたんだよね。そのことをネタに、君を使った。桜田さんを無理やりにでも手に入れろとでも言われたのかな。ッフフ…馬鹿だなぁ」


川田 真美子…?

利用された?無理やり手に入れろ?


どういうことなの。


神威君が次に顔を向けたのは、私だった。

混乱している私にニコッと笑いかけ、さらに話を続ける。


「川田って女、沖田のストーカーだったんだよ。今さっき分かったことなんだけどさ。沖田のそばにいる桜田さんが気に食わなかったから、自分の手を汚さずに他の男の手に渡したかったらしいよ」


「簡単に口割ったからつまんなかったよ」と付け足し、楽しそうにケラケラ笑いだした。

繋がって、いたんだ…。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時

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