先生21 ページ21
「そ、総ちゃん、あーん…」
ストーカーが出現するのは、昼休みや授業と授業の間の十分休み、そして総悟が部活活動を行っている時だという。
つまり、私がいる時は現れない。
なら私が総悟のそばにいればいいだけではないかと説得したのだが、総悟曰くラブラブの姿を見せつけなければいけないらしい。
というか。
「こんなベタなので相手が信じるわけないでしょ!」
声を殺してそう言えば、総悟は私が箸で掴んだ卵焼きをパクッと食べた。
今は、お昼。私と総悟は机をわざわざくっつけて、一緒に食べている。
まず頼まれたのは、名前を総悟から総ちゃん呼びに。
お弁当は毎日総悟の分まで作ってくること。
ボディータッチは多めに。
そして、なるべく一人の時間を作らないこと。
万が一のために誰かと一緒にいるようにと言われた。
「うめぇーなー。Aが作るのは全部うめぇから嬉しいぜィ」
「あ、そ、そうかな…」
「うめーから次のも食べさせてくだせィ。あーんって、ほれ」
「っく…う、嬉しいな総ちゃんがそんなに美味しいて言ってくれ、て!!」
あんぐりと開けた口に、おにぎりをイグナイトパスした。
もごもごと文句を言っているみたいだが、気にしないで自分のお弁当を食べる。
あー絶対クラスの人誤解してるよ。頭おかしいって思われてるよこれ。
うんざりしながら総悟の口に次々と食べ物を詰め込んでいたら、土方君が椅子を持ってきて、私の隣に置き座った。
「総悟から聞いてるぞ。お前も大変だな」
耳の側でこそっと囁かれ、プラス苦笑された。
あ、もう土方君がこっち側についてくれるならいいか…。
「土方はAの護衛役として配属された野郎でィ」
あんなに詰め込んだはずの食べ物たちを飲み込み、私の肩に手を置く総悟。
「だそうだ…。まぁ、ここ一週間くらいよろしくな」
「え!?一週間もやるのこれ!?」
土方君から出た衝撃の事実に大声で驚くと、総悟の手によって口を抑えられた。
「んー!んー!」
息が出来ずもがいてみせると、やっと手を離してくれた。
一週間…。
総ちゃん…それ長いっすよ…。
キッと睨むと、当の本人はニコニコしながらまた口を開けていた。
「早くしてくだせィ〜」
イラっとした私は、もう一つのおにぎりを口にイグナイトパス・廻をぶちかました。
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時