隣人さん ３３ ページ33
「だ、だって私が座ったら隣に来て…」
と言うかどうしてコネシマくんに怒られなきゃいけないのだ。
私に怒る理由なんてないじゃないか。
…恋人でもないのに。
何だか腹が立ってきて酔いに任せて自分もぶつける。
「コネシマくんだって磯村さんと近かったじゃない。楽しそうにお話ししちゃってさ」
「は？興味無いわ磯村さんなんて」
あまりにも酷い言い方に若干引いたが、私の悪魔はほっと胸を撫で下ろす。
良かったと安心するなんて。
どうやらコネシマくんの事になると性格が悪くなるらしい。
「はぁ…なぁ、なんで髪結んどるん」
…ん？
急に話の矛先が変わった。
なんで髪？
「お酒飲んだら暑くなっちゃって結んだだけですけど…」
「首筋見せすぎやと思いますよ」
「へ？」
すると彼はジリジリ詰め寄ってきて、私は壁に追い込まれる。
遂にひんやりと冷たい壁が背中にあたり、顔の横に手をつかれてしまった。
これが壁ドンってやつですか。
余計なことを考えていると見透かされたのか、また不機嫌な顔になるコネシマくん。
「こっち見ろや」
グッと顔を寄せられ身体が硬直する。
綺麗なスカイブルーの瞳が私を見据えていて、ドキドキと心拍数が上がっていった。
どうしたらいいか分からず見つめ合うこと約10秒。
また大きな溜め息をついた彼は私の肩口に顔を埋めた。
ビクッと肩が跳ねる。
ななななななに！！！？？
ふんわりと広がるアルコールの匂いと、コネシマくんが吸っているタバコの匂い。
愛しい人の体温が伝わってきて更に心臓がバクバクと暴れ出す。
首筋に時折触れる彼の柔らかい髪がくすぐったくて、恥ずかしくて。
「酒臭いねんけど」
「こ、コネシマくんもだと思うよ…」
冷静を装って言ったつもりが噛んでしまい赤面。
この状況を打破する方法はと考えていたが、あまりにも幸せすぎて突き放したくなかった。
出来るなら背中に手を回して抱きしめたい。
でも、私は彼の同僚であり友人でありデスクがお隣さんなだけの同期。
そんなこと出来るはず無かった。
「A？」
耳元で名前を呼ばれ、少し掠れた高めの優しい声にドキッとする。
静まれ静まれ、と目を回しながら何とか返事をする。
すると彼はゆっくり顔を上げて、また顔が近い距離で色っぽい濡れた瞳を私に向けた。
「このまま俺ん家行こ、抜け出そ」
何、その提案…。
もう期待と嬉しさで頭がパンクしそうだ。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
