隣人さん 19 ページ19
「だから違うって言っておろうが!!」
オフィス前の扉でようやく手を離してくれた。
睨むように彼の顔を見ると、何故か安心したようにため息をついたコネシマくん。
…な、なんなんだ一体。
「うっし。今日飲み行こか」
「ん!?話の流れおかしくない!?」
「さー頑張るぞー」
「コネシマくん!!??」
今度は急に機嫌が良くなった。
コロコロ変わるコネシマくんについていけない。
変な感じで彼の隣のデスクに座る。
もう仕事モードに入ったのか、いつもの死んだ目でタイピングを始めた。
「桜田さん、ちょっと資料室行って取ってきてくれる?ついでにこいつらコピーして欲しいんだけど」
男性の先輩に声をかけられてしまった。
取ってきて欲しいと言われた書類は山だ山。
そしてついでにと渡された書類もこれまた山で。
富士山とエベレストかな。
はぁ…コピーは時間をかければ出来るからよしとして。
問題はこの量の資料を持ってこないといけないことだ。
「手伝ったろけ?」
「いいの!?」
ひょこっと顔を覗かせたコネシマくん。
男の人がいるだけでなんて心強いんだ。
「じゃ資料室から行くか」
サッと腰を上げてくれたので私もついていく。
あれぇこんな紳士だったっけ。
なんて考えながらも彼の背中についていく。
…しかし。
オフィスでコネシマくんと私が話していると、必ず向けられる女性社員からの冷たい視線。
コネシマくんが先輩を撃退したあの日から、その視線は増していった。
顔が良い、仕事が出来る、背が高い、おまけに愛想がいい。
そんな彼を好きになる女性社員も少なくない。
ただ隣のデスクってだけで仲良くしている私を気に食わないと思っている人も、同じように少なくないだろう。
「Aちゃーん!」
ハッとなり見ればシャオロンくんが向こうから歩いてきていて。
隣のコネシマくんは嫌な顔をしていた。
「この時間に会うの珍しない?てか二人で何しとんの??」
「先輩から頼まれ事処理しとるとこや。お前はさっさと外回り行ってこいよ」
「お前に聞いてねぇわ!Aちゃんに聞いてるんですけど、入ってこないでもらえますぅ?」
お互い吠え出したので慌てて仲裁に入る。
「しゃ、シャオロンくんじゃあね!」
「あぁ待って!今日の夜空いてない!?」
「Aは俺と約束してんねん!割り込んでくんなや!!」
コネシマくんの敵対心丸出しの一言で白目をむくシャオロンくん。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました!!にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい! (6月23日 17時) (レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです!読んでいてきゅんきゅんしました!これからも頑張ってください!! (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう!!!!!!!しんじゃう!!!大好きです!!ありがとうございます!! (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ!!!!!!!!!!! (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2020年4月2日 21時