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ハッピーエンド14 ページ14

その後、沖田さんは色々な場所に連れて行ってくれた。

ちょっと遠出したなぁと感じながら、彼の隣を離れず着いてきた私。

正直、嬉しいと思っている反面、どうしてこんなに尽くしてくれるのだろうかという不安も募る。

カフェでの沖田さんの発言から、私の頭はめちゃくちゃだった。

だから余計に、変なことを考えてしまう。


帰り。

人が少ないプラットホームで、少し寒い風が肌を撫でていた。

電車が来るまで、沖田さんと肩を並べ待つ。


「今日はありがとうございました」


そっとそう伝えれば、沖田さんはこちらをチラッと見ただけだった。

沈黙が続き、目の前を走る電車が音を立て徐々にスピードを落としていく。

やがて止まり、チラチラと人が降りてきて同時に私たちは乗車した。

座席が空いていたので座ると、沖田さんは私の右隣に座った。


「また誘いやす」


電車が動き出したと同時に、そう呟く沖田さん。


「じゃあ、またお願いします」


顔がにやけてしまう。

本当に幸せな一日だった。

沖田さんと二人っきりで過ごす休日は、新鮮で。

けど…。

やはり影がある彼の隙間には、入る勇気はなかった。


私たちの最寄り駅に着いた。

改札を出ると、もうすでに日は落ちていた。


「こんな夜に女一人で歩かせたくねぇんで、送りやす」


出会った時、同じことを言われた。

膝を抱えうずくまる私に、めんどくさそうに声をかけてくれた沖田さん。

傘に入れてくれて、初対面だったのにも関わらず家まで送ってくれた。


私は最後の最後まで沖田さんと一緒にいられることが嬉しくて、遠慮せず頷いた。

夜なのに騒がしく明るい江戸の街を歩く。

徐々に私の家に近い橋に来れば、当たりの明かりは少なくなり。

静かで寂しげな夜の道になった。


「沖田さんは、どうして真選組に入隊したんですか」


ふと、聞いてみたかったことを思い出し口にしてみた。

ただの何気ない会話の一部になればと思って、振った話だ。

すると彼は、不思議そうな顔をし眉間にシワを寄せた。


「知りたいんですかィ」


「あ、や、話しづらい内容なのであれば全然いいんですけど」


慌てて別の話に切り替えようとした、その時。


「あれれ?もしかして真選組一番隊隊長じゃね?隊服着ねぇで女といやがるよ!」


…え。

まさか、攘夷浪士…!?

ハッとなれば、周りは既に男たちに囲まれていて。

隣から感じる異様な雰囲気に目を向ければ、沖田さんは死んだ目で辺りを見渡していた。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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