ハッピーエンド21 ページ21
な、なんで…、嘘、なんで…!?
バレてる、の。
声が出なくなり、ただ彼を見つめることしか出来ない。
分からない、なんで気づかれちゃったの。
混乱が混乱を呼び、色々な場面がフラッシュバックしていく。
あの時、あの時にバレたの?それともあの瞬間?
すると、追い打ちをかけるように、沖田さんは話を進めた。
「怖いならそばにいない方がいい。好きなら、嫌いになった方がいい。…どうですかィ」
「なっ…!!ちょっと待ってください!どうしてそうなるんですか!!」
沖田さんの口から出た言葉に、ショックを受ける。
ムキになって怒鳴れば、沖田さんは私が座るソファまで歩いてきて。
私の目の前まで来ると、はぁっとため息をついた。
「友達やめましょうって言ってるんでィ。ま、Aさんにとっては俺は友達じゃなかったみたいですけどねィ」
それは、私が沖田さんを恋愛対象として見ていたことを言っているんだろう。
けど、そんな冷たい言い方しなくてもいいじゃない!
思ったことを口に出そうとする。
すると、さっき怒鳴ったせいなのか、急に頭がズキっと傷んだ。
思わず顔をしかめる。
「な、んで…この家に来てくれたんですか…。友達やめたいなら、来なければよかった、のに…」
息が上がってきた。
途切れ途切れではあるが、言葉をぶつける。
すると、彼は私のおでこに手を乗せた。
こんな空気なのに、その行為にキュンと胸がなる。
「熱、また上がってきたみたいですねィ。もうちゃんとした寝床で寝てくだせェ、俺は帰るんで」
「ちょ」
私が何か言う前に、彼は踵を返す。
そのまま足早にスタスタ出ていってしまった。
乱暴に閉ざされた玄関の扉。
残されたのは、机の上のコンビニ袋。
そして、私。
一体何を考えてるの…。
どうして私が沖田さんの事を好きだと分かったの。
どうして私が沖田さんの事を怖いと思っていたことが分かったの。
どうして友達をやめたいなんて言ったの。
どうして…。
友達だと思っていた私が怯えたのを見て、ショックを受けたから?
恋愛感情を持たれたから?
考え始めればきりがなく、そして目には涙が溜まってきた。
沖田さんの冷たい目やセリフが、何度も蘇る。
元カレと喧嘩して、別れようと言われたあの日。
ずぶ濡れでうずくまったあの夜。
あの時の感情より、今の方が辛く感じてしまう。
…どうしてこうなっちゃったの。
125人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時