少女が男嫌いになった理由。ちはやふる (ページ7)

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五首目ページ7

天の原ふりさけ見れば春日なるみかさの山の出でし月かも_____。

(過去行きませんすみません！)
　
……震えが止まらない。
　
もしバレたら？
　
あの三笠天乃だって。
　
女子だって。
　
でも、
　
それ以上に怖いのは、
　
見捨てられること_______。
　
「稲葉、顔上げろ」
　
僕の怯えきった顔に、須藤先輩が戸惑うような表情を初めて見せました。
　
「…なんでそんな顔してんだよ」
「……すみません」
　
僕はまた俯いた。すると、須藤先輩が舌打ちをして、僕のほっぺたを掴んで、顔を強制的に上げました。ぶわっと、一気に寒気が僕を襲います。
　
「人には人に言えないことあるけど、お前は抱え込みすぎなんじゃねーの？俺、一応先輩なんだけど」
　
怒鳴るわけでもなく、淡々と紡がれたその言葉。それは、一瞬僕の寒気を振り払ってくれました。
　
でも、ごめんなさい。
　
僕は、もう捨てられたくない。
　
頼れません。
　
だって。
　
『騙される方が悪いんだよ』
　
なんて。
　
「言われたくないでしょ？」
　
「は…？」
　
僕の小さな声を聞き取れなかったらしい須藤先輩が、訝しい顔をして、僕の顔を覗き込みました。
　
「すみません……っ！」
　
僕は、その場から弾かれたように逃げました。須藤先輩の呼び止める声が聞こえるけど、立ち止まる事は出来ませんでした。
　
“私”が、現れるような気がして。
　
涙を堪えて、教職員用トイレ(勿論女子トイレ)に駆け込みます。
　
個室の鍵を閉めると、今まで我慢していた涙がとめどなく流れ落ち、口を覆った手から、嗚咽が漏れます。
　
やっぱり、僕は弱いままなんだなぁ。
　
自覚はしてたのに。
　
「外見を変えても、人は変われないんだね、天乃。」
　
×××
こんちゃです！いつもありがとうございます、藍羅です！！
なんか更新しない間にhit数が増えてます！疲れ目でしょうか！とりまありがとうございます！！
リア友からDSi借りたんで、これからどんどん更新したいと思います！
では、籃羅でした！