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ピンポーン。
ガチャって開いたドアから出てきたのは。
「……はい」
本当に、Aだった。
「……ピザーダです」
「相葉くん」
「あは、バイトしてんの。メリークリスマス」
いつもジーンズにパーカーとかなのに、今日はグレーのハイネックに深緑のスカート履いてる。
くー！可愛い！
「カズと付き合ってんだね」
「相葉く…」
「けど。どうしても俺も気持ち伝えたい」
Aの目が驚いたように、まるくなる。
「俺、Aが好き」
Aの返事は聞かなくてもわかってる。
だけどどうしても言いたかった。
「じゃあね」
「ちょっと待って」
止められたけど振り返らずに出て行こうとしたら、Aがサンタの帽子を引っ張った。
「相葉くん！私！カズと付き合ってない！」
「……え？」
「付き合ってないよ、だいたいカズ彼女できたじゃん。英文科のかわいこちゃん」
はあ？！
「ちょ！カズ、おい！」
文句言ってやろうと玄関にもう一度入って行く。
「カズならいないよ。かわいこちゃんとデート」
「え？じゃあAは何してんの？」
「私…は。サンタクロースの相葉くんを、待ってた」
「え？」
「仕事が終わった相葉くんとピザを一緒に食べたいなと思ったんだけど。
うち実家だし、どうしようかなってカズに相談したら、部屋貸してくれたの」
ピロン、とスマホが鳴って見るとカズからだった。
『誕生日おめでと。
最高のプレゼントでしょ』
俺は鈍いって言われるけど、さすがにこれはもう、喜んでもいいとこ、だよね？
「どうしよ、すっごく嬉しい」
恥ずかしそうに笑うAを思わず抱きしめる。
「俺、今日誕生日なんだよね」
「知ってる」
「じゃあプレゼントね。ちゃんと言って」
「え？」
「好きって、言って」
「……好き」
何これ何これ。
めちゃくちゃ幸せ。
抱きしめてた腕をゆるめると、玄関のドアを開けたまんまサンタクロースはキスをした。
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作者名：つむ
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月22日 8時
