【ツイステ】なぁ聞いたか？？...あのオネエ、怪力で備品壊したらしい【男主】

◆深紅の暴君−４２◆ ページ46

ほらね？やっぱり。
ユウは魅力的な女の子なんだから、絶対に男が放っておくはずないんだってば。

私だって前世の記憶のないモブのままだったならば...真っ先に交際を申し込むうちの一人だろうし？



『......俺が何であの子の傍にいるかっての、忘れてもらっちゃ困るね。もしもユウに好きな人や恋人ができるとしても、それは俺の厳正な審査と面接に通ってからの話で......おいコラ、なに引いてんだよ』

「モンペの父親みたいなこというじゃん...こわい」

「とんでもない奴がガードについちゃったんだなあの子...可哀想に」

『うぐッ』



イラつきはしたけど、事実なのだからと言葉を呑んだ。

......だって、寂しいじゃん。
あの子に彼氏が出来ちゃったら...そりゃ、応援はするけども。
今みたいに触れ合ったり、気軽に会ったり出来なくなる。
私にとって、この世界では唯一の女友達なんだもん。
出来ることなら、ずっと一緒にだって居たいよ。



「でも、あれだな」



ユウが私の傍から離れて行ってしまう未来を想像し感傷的になっていると、クラスメイトの一人、腕章を見ればサバナクローの生徒だったのだが...
彼が突然顎に手を当て、考え込むように唸った。



「オレ、やっぱり今の今まで、お前のこと誤解してたかもしんねぇ。周りと距離置いてるように見えてたのは確かだけど、こうやって話してみると意外と面白いし...それに、あの子の事そんな大切に想ってやれる、優しくて良い奴じゃん」

『！』

「わかる！...実はちょっと警戒してたんだよな〜！ほんとに噂通りオネエだったら、俺のお尻が危ないかも！？とかさｗ......あ、マジで今の冗談だから！気悪くすんなよ！？」

『別に...いいよ』

「...思えば、ポムフィオーレは現寮長も結構それっぽいよな。俺、最初見た時普通に女の人かと思った」

「だよな〜......先輩から聞いた話だと、あの人も一年の時散々周りに噂立てられたりしてたらしいし...あっ！もしかしたらエドも、そのうち寮長になっちゃったりして！？」



盛り上がりを見せるクラスメイト達に囲まれて、一人俯いていた私の目から...一粒の涙がこぼれた。

目ざとくもそれを見てしまった一人から波のように混乱が広がって...
余計に、溢れて止まらなくなってしまったのだ。



「お、おい...？なんで泣くんだよ」

「俺マジでさっきのは冗談...」

『ち、げぇ......ｯ！』



ぐいっと涙をぬぐい、男らしさは確かにないなと自分に苦笑しながら、《俺》は笑った。

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