前世の夢 ページ3
「＿＿さん！＿＿ないで＿＿さい･･･っ！･･･太宰さんっ！！」
敦くん、泣くのは止してくれ給えよ。･･･なーんて、云おうとするものの、空気に言葉は溶ける。というより、発する前に言葉は溶ける。発せないのだ。･･･ただ、ヒュッという呼吸音が聞こえるだけ。
･･･嗚呼、死ぬんだなぁ。死んでしまうんだ、こんなところで。なんて他人事のように思う。･･･とはいえ、他人事ではない。だって、死ぬのは、彼を泣かせているのは、他の誰でもない私なのだから。
･･･けれど、私は冷静に、他人事のように思考を巡らす。そして、少しずつ巡らす思考速度が遅くなっていき、少しずつ、目の前が狭くなってくる。･･･最期になるのなら、云いたいな。“みんなのこと大好き”だって。
･･･だけど、現実は残酷だった。もう、息すらままならなくて、ただ、自分の中から流れていく血液を見つめるしかなかった。声を出そうと躰に力を入れても、激痛が走るだけで、声は出ない。これ以上に虚しいことはないだろう。私は、声の代わりに最期の力を振り絞り、彼に触れようとした。
そして、そんなところまで見て飛び起きた。息を整えようにも整えられない。とても荒い息を繰り返すのみだった。
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lokiloki - 響音さん» コメントありがとうございます！嬉しいといってもらえて幸せです！ (12月26日 18時) (
レス) @page7 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
響音(プロフ) - lokilokiさん» コメントありがとうございます！気に入っていただけで嬉しいです！これからも読んでくれると幸いです！ (12月26日 12時) (レス) id: b6efb76293 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月25日 23時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：響音 | 作者ホームページ：http://yuuha0421
作成日時：2023年12月2日 14時
