【BSD/織田作之助】雨降る街角で【逆トリ】 (ページ1)

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Prologue ページ1

ある雨の日。出逢った男性。彼は傘もなく、ただ雨に濡れていた。それに、彼の表情はどことなく困惑していた。そこまで顔にはでていなかったが、瞳が困惑しているように揺れていたのだ。そんな様子だったからか、私は思わず男性に声をかけた。

『あ、あの･･･なにか、困ってます？』

と。そしたら、男性は少しだけ驚いたように目を見開くと、

「･･･少しな」

と、返答が来た。私は助けになりたいという一心だった。

『あの、まず、なんでこんなところに傘も持たず居るんですか？』

「判らない。気が付いたら此処に居た」

『えっ！？･･･えっと、家とかは･･･？』

「ない」

『えぇっ！？』

つまり、家がなくて困ってるってこと！？

『戸籍とかは･･･』

「ない･･･と思う」

『えーっと、それって如何いう･･･？』

「･･････」

『あの、此処に居る前何してたんですか？』

「･･･色々あって死んだ」

『えぇっ！！？』

つまり、異世界転生、トリップ。まぁそんな類だろう。･･･って、なんでここまで私は冷静なんだろ？

『と、とりあえず、うち来ます？』

「･･･いいのか？」

『はい！親は出張で居ませんし。兄弟とかも居ないので。』

「･･･なら、世話になる」

『はい！』

そして、拾った彼。