◆PROLOGUE−３３◆ ページ38
自分の頬から涙が伝い落ちているのに気がついたのは、丁度その涙が、顎から雫となって膝に落ちる瞬間だっただろうか。
握りしめられた手が片方離れていき、細い指先が頬から涙をすくい上げる。
こすらないように優しく、何度も何度も。
...そうまでされないと、自分が今泣いていることには気づけなかったかもしれない。
生き残るのに必死で、ずっと困惑しながら生きていたから泣く暇もなかったんだ。
泣き方なんて覚えてないと思ってたけど...やっぱり、人間の身体って思うようにはならないな。
止めようと思っても、次から次へと溢れてくるなんて...故障以外の何物でもないじゃないか。
私は御大層な人間じゃない。
ただ好きでピアノを弾いていただけ。
そして、その楽しみを分けるようにして...沢山の人に自分のピアノを...聞いてもらいたかっただけ。
『...音楽に興味のない君が俺の演奏を好きだと言ってくれるなら......確かに、俺が演奏をした意味はあったみたいだ。
...最高の誉め言葉をくれて、ありがとう』
お礼を言えば綻ぶように浮かんだ笑顔。
あぁ、なんか情けないな...涙なんか見せて。
しかも生まれ変わってから初めての涙だよ？レアじゃん、レア。
...この子は凄いな。
もしかしたら今後、私に沢山の《初めて》を経験させてくれるのかもしれないな...先が少々、楽しみになってきた。
......あ、決していかがわしい意味じゃないからね？(ぶち壊し)
・
ユウ「えっ、桃原さんって女性だったんですか！？」
『名前で気付いてもらえなかったことに驚き』
涙をぬぐった後、私の手を取っていたユウがうっとりと
「桃原さんってこんなにイケメンだったんだ...」
なんて顔を見ながら呟くから、もしやと思い聞いてみれば案の定。
彼女は前世の私、桃原 鈴の性別すら知らなかったらしい。
ユウ「だって鈴って...確かに男の子にしては可愛い名前だけど、いないわけじゃあないじゃないですか！最近キラキラネームも流行ってますし、女の子みたいな名前の男の子結構いますよ？
ねぇ、学園長」
学園長「ねぇって...いや、私貴女方のいた世界の常識なんて知りませんし......って、久々に喋らせてもらえたと思ったらそれだけですか！？」
『やかましいですよ学園長。喋らせてもらえなくても、今ここには学園長と女子二人ですよ？両手に花じゃん、もっと喜べよ』←
学園長「女子って...貴方男子生徒でしょうが！？！？」
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜！！今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります！もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜！ (2021年12月12日 1時) (
レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります！！ (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に｢我がナ〇スの科学力はぁああ！｣のやつ出てきて吹き出しましたｗｗｗテンポ神すぎて笑いこらえれないｗｗｗ最高ですｗｗｗ (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です！本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水
| 作者ホームページ：http://hibiki
作成日時：2020年12月4日 2時
