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倒れ動かなくなった凛をイトナとシロがじっと見詰める
糸「…兄さん、次はお前を」
言い終わる前に、ざくりとイトナの肩にナイフが突き刺さる。刺された事に気付いたイトナとシロは凛から早急に距離をとった
刺したのは紛れもなく凛だった。然し、様子が可笑しい。光の無い目、生気の感じられない体、血のついたナイフ……異常な光景である。殺気が無いのに怖くて堪らないのだ
カ「…凛」
『……御免なさい母さん、父さん。殺すつもりは無かったの…ただ愛して欲しくて遊びたくて。でも赦してくれるよね?僕達は家族だから……』
ナイフを持った凛はゆらりとしながら水を蹴ると、詰め寄りシロにもナイフを突き刺した。白装束が血で赤く染まっていく
『嗚呼、殺したい。ころしたい。コロシタイ…愛してる。あいしてる。アイシテル…アイシテ』
?「…もう終いだ燐火。此処にお前の両親は居ない」
突如現れたマント姿の銀髪の少年は背後から狂った凛の両目を手で覆った。
?「…お前ら、死にたくなければ今日は引け」
シ「……チッ、イトナ引くよ」
糸「分かった」
二人は男の声に素直に従い、森の中へと消えて行った。マントの少年は優しく凛に話しかける
?「…お前の敵は居ないよ」
『でも…もっともっと殺さなきゃ』
?「帰ろう。大丈夫、俺はお前の友達だ…」
『…友達?本当?』
?「うん…さ、お眠り僕の友達」
凛はそっかぁと言うとそのままマントの少年に身体を預けて再び意識を失った。マントの少年は凛を通称お姫様抱っこをし、小さく礼をした
殺「…貴方は」
?「……俺は”情報屋”。此奴の相棒という奴兼友達だ。それ以上でもそれ以下でも無い。
……あと頼む、今の此奴の事は本人にも言わないで欲しい。誰にだって思い出したくない記憶はあるからな」
死んだように眠る凛の寝顔を見詰めるとマントの少年は安心したように微笑んだ
カ「…何処に連れていく気」
?「…家だ。あと暫くは休ませる。では」
凛と少年は歩いてそこから消えた。
誰も止めることができなかった。
ただその背中が小さくなっていくのを最後まで見ていた
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蒼 - 42話からしばらく名前のとこが(1人)になってますよ!! (2018年4月13日 17時) (レス) id: 8e3edf3d3f (このIDを非表示/違反報告)
黒夜(プロフ) - 悠さん» コメントありがとうございます!見た瞬間、凄く嬉しくて跳ねてしまいました(*´ω`*)これからもよろしくお願いしますね♪ (2017年12月21日 23時) (レス) id: eead03add3 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 楽しいですっ!更新頑張って下さいっ! (2017年12月19日 13時) (レス) id: a5cd8a01d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒夜 | 作成日時:2017年10月6日 22時