桃賀から見た古城常 ページ10
*
古城常さんにフォローされていたことに、お恥ずかしながらひと月以上気がつかなかった。だってあの人、鍵垢だったし。
占いツクールというサイトの存在を知って、自分も書いてみようかと悶々としていた頃、よく読んでいたのが古城常さんの作品だった。
どうしてこんなに、原作キャラの心情がうまく書けるんだろう、っていうのが正直な感想。男の子のキャラが、本当に等身大で私の目の前に現れてくるようだった。
それに、描写もとても綺麗。語彙力貰いたいくらい。
この人みたいな作品、書けたらいいな、そしてあわよくば、この人に作品を読んでもらいたいな。
そんな思いで書き始めたら、なんの因果かものすごくたくさんの人に読んでもらえた。嬉しくて、ネタもどんどん浮かんだ。
私の作品がランキングに並ぶようになった頃、ぱったりと古城常さんの作品が更新されなくなった。
作品一覧には「諸事情によりしばらくお休みさせていただきます」の文字。
残念だなあ、合作とか一緒にできたら絶対に楽しかったのに。まあ、人気作者の1人がいなくなったら、私の人気もすぐに出てくるかもしれないし。
そのまま気ままに(まの早口言葉みたい)書いていった。作品の数が30個を超え、Twitterを始めた頃か、俗にアンチって呼ばれる人もつき始める。以前好きで読んでいた人気作者さんたちも、アンチがついて、傷ついてやめていった人が多い。私もいよいよか、さぞかし傷つくんだろうなと思えば。
全く響かなかった。こちらが面食らってしまうほど。私より年上であろう人たちが、私の欠点をあげつらって反発している。それがひどく滑稽で、寧ろ笑えてきてしまった。
そんなわけで掲示板は華麗にスルー。私は私なんだから他人にどう思われても変わる必要なくない?
そんなスタンスを貫いて、不名誉な中二(病)時代も終わり、やれ最高学年だ受験生だってお小言にも慣れた5月。
Twitterのフォロワー欄を何気なく漁っていたら。
「こ、このお方は……!」
その特徴的な漢字の並びを見間違えるわけがなかった。かつての好きな作者、古城常さん。しかもフォローされたのはかなり前だ。
大急ぎでDMを送った。かなり緊張した。占ツクの猫被りモードが混ざってしまうほどに。
『よろしくな、桃賀』
綺麗な文章を書く人とは思えないほど、素っ気ない態度と、“俺”などとカッコつけた一人称に少し、いやかなり面食らった。それでも、憧れだった作者さんと繋がれて嬉しかった。この時までは。
*
17人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かどけ氏(プロフ) - 河原美羽奈さん» そうなんですね笑 (2019年3月11日 4時) (レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - かどけ氏さん» ありがとうございます、正直休みきっちゃってだらけているので動き始めました(笑) (2019年3月10日 7時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
かどけ氏(プロフ) - お帰りなさい!受験大変ではありませんでしたか?無理せずゆっくり休んでくださいね(^^) (2019年3月9日 14時) (レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - 紅葉さん» コメント返信できず申し訳ありませんでした、応援ありがとうございます。 (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 受験おつかれさまです!そしておかえりなさい! (2019年3月9日 11時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:河原美羽奈 | 作成日時:2018年12月26日 21時