占ツク作者、冬眠します【オリジナル】

フォロワー兼アンチ兼、憧れの人 ページ11

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こうしてご縁あって古城常さんと繋がってから、最初に出した新作。

作者登録して貰ってないフォロワーさんにも作品を見てもらうために、私はTwitterにも新作公開のお知らせを出している。そのツイートの、返信欄だった。

『読んだけど、いつもよりネタがありきたり。ネタ切れなら別に出さなくていいんだぜ？ あと相変わらずプロローグ下手くそ。説明的すぎて全然引き込まれない』

「うっ……」

痛いところを突かれた音がした。たしかに、今回の作品はそんなに独創性があるネタでもなかった。仕方ない、書きたくなっちゃったんだよ王道のラブラブが！
プロローグは、前々からの課題だった。どうしてもポエムチックに、かつ厨二病すぎないセリフを考えるのが苦手なのだ。いつも両極端になってしまう。

「誰だよこんなに痛いところ突いてくるやつ……」

いつも作品を出せば『流石桃賀様！ いつも通りの神作品ありがとうございます!!』みたいなこと言う人しかいなかったから、否定的な意見ってのもこれはこれで新鮮だけど。

「私のこと好きすぎていっぱい見ちゃってる人なのかな……って、ぐはあっ」

文字に起こしたらとてもかっこ悪い、少なくとも私なんかより文章を書くのが下手くそな人が使いそうな擬音を口に出してしまった。


「こ、古城常さん、否、きつねちゃんではないですか……」

アイコンが変わっていて気がつかなかった……。

前言撤回。
私より占ツク歴が長いきつねちゃんが言うならばこれは否定的な意見などではない。れっきとしたアドバイスだ。

『きつねちゃん、アドバイスありがとう！ 今後の参考にさせていただきます』

『は！？ アドバイスなんかじゃないし！ なんで俺が桃賀にアドバイスなんかしなくちゃいけないんだよ！』

ツンデレか……可愛いぞきつねちゃん。

『またまたぁ〜、そんなに隅々まで読んでくれて桃賀は嬉しいぞ』

『俺のプロフ見てんの？ 俺は一応“アンチ”って括りなんだから親しくしない方がいいと思うぞ』

『アンチ？ それでも作品読んでくれるなら読者はんの1人だよ、読んでもらえるだけでわたくしは嬉しいのです！』

返信は来なかったけど、いいねの早さが彼女の照れ具合を表しているようで可愛かった。アンチって名乗っているから、周りに煙たがられているのが勿体ない。


この時は少し驚いた。それでも、本人がわからない角度から切り込んでくる、きつねちゃんのアンチという名のアドバイスを楽しみにしている自分がいた。






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