標的１７７ ページ17
「ママ、今日も来たよ」
「A…」
「あ、起きなくていいよ！
今日のこと話すだけだから！」
父が亡くなってから1ヶ月後。
母が急に倒れ、寝込んでしまった。
痩せ細って今にでも倒れそうなくらい。
「今日はね、リボーンが修業してくれたの。
皆はお仕事だから」
「そう…ケガはしてない？」
「うんっ！Aは強いもん」
母を励ますために、いつの間にか口癖になっていた言葉。
そう言うと、母は温かい手で頭をなでてくれる。
それが毎日の楽しみでもあった。
でも、そんな日々も終わりを告げようとしていた。
「う"…ぁ……ああ…」
「ママ！？」
母が突然苦しむが、9歳児の頭ではどうすることもできない。
とりあえずベルで人を呼べたのが幸いだ。
慌てて駆けつけてくれたのは、アジトに残っている守護者達。
「「「奥様！」」」
「Aは部屋の外で待とうか。な？」
「やだ！！ママのそばにいる！！」
母の周りを囲むと、手を施していく。
でも鳴り止まない機械が不安を募らせた。
一人が私を連れ出そうとしたが、必死に抵抗する。
何となく分かっていたのかもしれない。
これから見せられる現実を。
「ママ！！ママ！！」
「あ……な…た」
「どうしたの！？ねえ、しっかりしてよ！」
母の手を握ると、さっき頭をなでてくれた温かい手とは程遠かった。
冷たくて、青白くて…生気がない。
「ごめん…ね…あな、た…を…一人に……して、しまって…。
ずっと………だ、い…すき……よ」
そう言って微笑むと、母は目を閉じた。
甲高い音を上げる機械がうるさい。
幹部達の息を呑むような声が、現実だと教える。
「ママ、一人にしないで…。Aを置いて行かないで…！」
何度名前を呼んでも、どんなに強く体を揺すっても、目を開けない。
もう二度と優しく微笑んでくれる母を見れない。
母は、父を追うように死んだ。
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ユメ(プロフ) - クルさん» ありがとうございます！続編などの関係で更新が遅れますが、温かい目で見守ってやってください(*´∇｀)ﾉ (2016年10月3日 6時) (
レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
クル - この作品大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (2016年10月2日 22時) (レス) id: bdfc419512 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - FRANさん» ありがとうございます！グダグダで申し訳ないのですが、とりあえず主人公の過去に何があったかを大雑把にわかっていただけたら幸いです。そうですね、お互い頑張りましょう(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2016年9月15日 20時) (レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
FRAN - 黒曜編面白いです！私も急いで更新を、、、 (2016年9月12日 9時) (レス) id: aa7090aeed (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - ミリさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします(*´∇｀)ﾉ (2016年8月30日 17時) (レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユメ | 作成日時：2016年8月23日 16時
