標的１６３ ページ2
歯を取られていく音と、叫び声が木霊する。
なぜそんな事するのか理由も検討がつかない。
ストレス発散なら暴力で終わるはずだ。
でも彼らは歯を抜くために、暴力を使った。
そんなに歯を抜くことが重要なことなのかな…。
「…」
それも大事だけど、どうして彼らを知っているのだろう。
いや、会ったことはないと思うんだけど…。
なぜか体だけは彼らを知っている。
また過去の記憶が絡んでいるのだろう。
直接聞いてみたいけど、今は早く逃げなくちゃ。
そろそろ終わりを迎えるその行為を恭弥に伝えるため、少し後ずさった。
パキッ
「！」
「「！」」
その小さな音は暗闇に響き渡り、2人の耳にも聞こえてしまったようだ。
焦りで足が動かなくなって彼らと視線を合わせてしまう。
逃げないと、と思うほど足は固まっていく。
「A…！」
「おまえ…本当にAなのか！？」
「え？」
何も攻撃はしてこないけど、この人達も私のことを知ってる…？
私がさっき知り合いのように感じたのは、嘘じゃなかったってことだろう。
…って、だから早く逃げないと！
「…犬」
「分かってるっつーの！！
A、無理やりでも連れてくびょん！」
犬と呼ばれた人がこっちに向かって来る。
私は咄嗟に避けて、逃げる方法を考える。
このままじゃ連れて行かれるのは確実だ。
どうしよう…どうすればいいの？
犬と呼ばれた人に身を固めていた時、後ろから呟くような声が聞こえた。
「…後ろ、ガラ空きだよ」
首筋に痛みが走ったかと思えば、気が遠くなっていく。
ああ…どうしてもう一人いたのを忘れてたんだろう。
もっと冷静に対処していれば、逃げれたかもしれないのに。
だんだん瞼が閉じていく中、最後に思い浮かんだのは、いつも助けてくれる恭弥だった。
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ユメ(プロフ) - クルさん» ありがとうございます！続編などの関係で更新が遅れますが、温かい目で見守ってやってください(*´∇｀)ﾉ (2016年10月3日 6時) (
レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
クル - この作品大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (2016年10月2日 22時) (レス) id: bdfc419512 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - FRANさん» ありがとうございます！グダグダで申し訳ないのですが、とりあえず主人公の過去に何があったかを大雑把にわかっていただけたら幸いです。そうですね、お互い頑張りましょう(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2016年9月15日 20時) (レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
FRAN - 黒曜編面白いです！私も急いで更新を、、、 (2016年9月12日 9時) (レス) id: aa7090aeed (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - ミリさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします(*´∇｀)ﾉ (2016年8月30日 17時) (レス) id: 5b1c909768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユメ | 作成日時：2016年8月23日 16時
