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「お前がそう言うんは、何となく想像ついてたわ。俺を助けたいっちゅうんは、譲りたくないんやろ？」
『…………はい』
何もかもお見通しの様子に、Aは大人しく頷く。
普段本能のままに言葉を口にする真島だが、ここでは先の事を予期できる才が垣間見えた。
「俺はな、命張るだけが手助けやない思っとる」
『じゃあ……どうすればいいんです？』
「お前には、情報っちゅう武器があるやろ？やから、組員としてやなくて情報屋として俺を助けてもらう。ほんで、俺はその見返りとしてお前の身の安全と生活を保証する。これでどや？」
『いや、でも……』
「なんや、まだ文句あるんか」
『文句じゃないですけど……その条件だと、私の方が真島さんに助けられてませんか？』
確かに、"真島を助ける"という意味でも、その提案は理にかなっていた。
しかし、身の安全と生活まで提供されてしまったら、Aの方が助けられているように感じられて、Aは素直に頷く事が出来なかった。
「あんな、いくら堅気になる言うても、一度極道に足踏み入れた身や。これから危険な目に合わないとも言いきれんやろ？」
『それは、そうですけど……』
Aはいつまで経っても納得がいかないようだ。
その様子に、真島は真剣な顔を作り、Aを見つめる目に力を込める。
「言うたやろ？俺はお前を傷つけたないって」
『……』
「それに、」
「お前が俺を助けたいように、俺もお前を助けたいんや」
その声は、テレビから流れる音を掻き分けて、Aの耳にはっきりと届いた。
"お前を助けたい"
そう言われてしまったら、Aはもう、断ることが出来ない。
何故なら、
"助けたい"気持ちは簡単に諦められない事を、Aが一番知っていたから。
『……わかりました。真島さんの提案、全て受け入れます』
Aはやっと、了承を口にする。
まだ完全に、納得が出来た訳では無いけれど。
「ほな、交渉成立やな」
そう言って歯を見せて笑う真島は、何処か満足そうな顔をしていた。
「要件も伝えたことやし、俺は帰るわ」
『はい。今日は来て頂きありがとうございました』
「あぁ、ほなな」
片手を上げながら病室を出ていく真島。
それを見送るAの心は、この間とは違いとても晴れやかで、
それでいて何かに満たされていた。
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雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます！手違いでオリジナルタグを付けてしまっていたようです……教えて頂きありがとうございました！ (2021年2月12日 23時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 新作おめでとうございます！応援してます！あと、オリジナルタグ付いております(気づいていましたらすみません！) (2021年2月12日 23時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - レイナさん» わ〜い！ありがとうございます〜！よろしくお願いします！ (2021年2月12日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 新作おめでとうございます!これからどうなるか楽しみですｯ! (2021年2月12日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2021年2月12日 21時
