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目を覚ますと、頬にはひんやりとした床の感触。
鼻を通る埃っぽい匂いに、あまりいい目覚めとはいえなかった。
ズキズキと頭が痛むのを感じながら、Aは体を起こそうとするが、腕は後ろで拘束されており上手く上体を起こすことが出来ない。
「やっと起きましたか。おはようございます」
もぞもぞと体を動かすAに反応し、目線を合わせる様にしゃがみ、声をかける人物が一人いた。
上げた前髪をきっちりと固め、上質なスーツに身を包んだ姿は、一見何処ぞの社長にも見える。
しかし、纏う空気やメガネの奥から覗く目は、明らかに堅気のそれとは違う。
焦点の合った目でその人物を見やるAの顔は、つい険しいものになった。
その人物は紛れもなく、
井上組組長、井上章三、その人だったから。
『……何の真似ですか』
Aは昨夜から今に至るまでの状況を思い出し、井上に問うた。
夜道を歩いていたAを後ろから殴りかかったのも、廃ビルに拘束したのも……
全て今目の前にいる井上の仕業である事は明白だ。
「すみません、手荒な真似をしてしまって。今日はマコトさんと話がしたくて」
『……話？』
「えぇ、そうです。私、貴方の事高く買ってるんですよ。なんでも、マコトさんが組に入ってから、真島組はシノギが良くなったとか」
Aは険しい顔をしながら、井上の話を黙って聞いた。
少しずつだが、井上の目的がわかってきたような気がする。
「はぁ……本当に……」
一つ溜息を吐いた井上から、薄ら笑いがすっと消える。
「真島のそういう所が気に入らねぇんだよなぁ……ただでさえ、親父に気に入られてるってのによぉ……」
Aから目線を外し、ぼそっと呟く井上からは憎悪の感情が読み取れる。
間違いなく、これが彼の本性なのだろう。
しかし、井上は直ぐに先程の胡散臭い笑顔に戻り、Aに顔を向け直した。
「さて、ここからが本題です。ウチの組に入りませんか？マコトさん……いや…………」
「Aさん」
本名を呼ばれ、Aは思わず目を見開く。
『どうして、その名前をっ……！』
「まぁ……少しだけ貴方の情報を聞き出しただけですよ」
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雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます！手違いでオリジナルタグを付けてしまっていたようです……教えて頂きありがとうございました！ (2021年2月12日 23時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 新作おめでとうございます！応援してます！あと、オリジナルタグ付いております(気づいていましたらすみません！) (2021年2月12日 23時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - レイナさん» わ〜い！ありがとうございます〜！よろしくお願いします！ (2021年2月12日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 新作おめでとうございます!これからどうなるか楽しみですｯ! (2021年2月12日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2021年2月12日 21時
