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真島に良いように抱かれたAは、脱力するようにうつ伏せになり、隣で優雅に煙草を吸う真島を眺めた。


未だ余力が残っていそうな真島を見て、「この人に体力の底はないのか」とぼんやり考える。





「あ、そや!」





ずっと黙っていた真島が急に言葉を発したことで、Aは肩を震わせた。


そして、何か悪い予感を感じ取った。


大抵、真島の突然の思いつきはろくでもないものが多い。


Aはそれなりに覚悟を決めながら、真島の次の言葉を待った。





「明日弁当作ってくれや」





『……は?』





案の定、突拍子もない事を言われ、Aは間抜けな声を出す。


さらには、真島の満面の笑み。
何か企んでいるだろうことは容易に察しがついた。





『……なんで突然弁当なんです?』





「まぁ……"匂わせ"っちゅうやつやな」





『……何を?』





Aが尋ねても、真島は一人ニヤニヤと笑うのみでその理由は教えてくれない。


そんな様子が面白くなくて、Aは拗ねるように口を尖らせる。





『……面倒くさいから作るの嫌です』





「えぇ〜そないな事言うなや〜俺の可愛い彼女は彼氏の為に弁当作ってくれへんの〜?」





真島の言い方に、Aのイラつきはさらに募っていった。





『自分で作ればいいじゃないですか……』





「それじゃあ意味無いのや!なぁ作ってぇや」





『嫌です。もう寝ます、おやすみなさい』





「薄情なこと言うなやぁ〜」





『……』





布団を頭まで被ったAは黙りを決め込む。


暫く子供のように駄々を捏ねた真島だったが、何を言っても無視をされる為次第に大人しくなっていった。





「Aチャンのいけず」





最後にそう吐き捨て、真島も布団に潜り込んでゆく。





ようやく静かになったところで、Aに睡魔が襲った。


だんだん重くなっていく瞼に逆らう理由もなく、Aは完全に眠りに落ちた。

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設定タグ:龍が如く , 真島吾朗   
作品ジャンル:恋愛
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なぬ - 面白い (2022年3月29日 16時) (レス) id: 9f70a28778 (このIDを非表示/違反報告)
kokurou6(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしければ承認お願いします。 (2021年2月7日 16時) (レス) id: f57eb3d90a (このIDを非表示/違反報告)
★レイナ☆(プロフ) - ツイッターフォロー申請させて頂きました! (2021年2月4日 11時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 雲雀さん» はい、やべぇ所の作者です…。ハチャメチャな作品を読んでいただいて光栄です!ありがとうございますっ!(土下座) (2021年1月23日 13時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます〜!嬉しいです〜!あの、もしかして、「就職した先はやべぇ所でした」の作者様でいらっしゃいますか……?私もエコノハァーさんの作品楽しく読ませていただいております!! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月27日 14時

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