狂うほどに愛されて２【オリジナルヤンデレ短編集】 (ページ4)

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所有物① ページ4

「おい!!あいつはまだ見つからないのか!?」

屋敷に響き渡る大声。

その声の主は俺だ。

…先日、俺の婚約者の屋敷が火事になった。

俺がこの話を聞いたのは4日前の暮れ頃、火事の次の日だ。

急いで現地へ向かったが、そこは少し前まで大きな屋敷が建っていたとは思えない程何も残っていなくて、一面焼け野原だった。

…あの屋敷の主、あいつの父親はもうこの世にはいないだろうな。

お人好しなあの男の事だ。

きっと屋敷の使用人が少しでも多く助かるように優先的に逃がしているはず。

…そして自分は最後に逃げる。

それで結局逃げ遅れたのだろう。

容易く想像出来る。

なんて愚かな男だろうか。

さて、肝心なあいつの事だが…あいつの事は何もわからなかった。

親バカなあの父親の事だから、あいつだけは何としてでも生かそうとする。

…と、すれば。あいつは今も何処かで生きている。

…まぁ、俺の許可なく勝手にこの世を去るなんて許さないがな。

あいつは絶対に生きている。

だから、何としてでも見つけ出す。