狂うほどに愛されて２【オリジナルヤンデレ短編集】 (ページ13)

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片思いの終わりと薔薇の花びら① ページ13

幼い頃から近所に住んでいて、実の妹のように接して来たあいつが結婚する事になった。

いつからだったのだろう。

可愛い妹のような存在から、好きな人に変わっていたのは。

…そんな事考えたって、もう遅すぎる。

あいつはもう、誰かの物になってしまったのだ。

俺じゃない、他の男の物に…。

相手は俺の学生時代の後輩で、あいつのバイト先の先輩。

…後輩は良い奴だったし、俺も最初はこいつになら安心して彼女を任せられる、とも思った。

素直に祝福もした。

…けれど、2人に「おめでとう」と言った時に、何かが胸に刺さるような感覚がした。

どうしても、「幸せに」という言葉が出てこないのだ。

ここで気付いた。

俺は、あいつを妹なんかじゃなくて、恋愛対象として見ていたのだと。

今まであいつが幸せならそれで良いと思っていたのに、それも違った。

…俺以外の奴の隣で笑うなんて、俺以外の奴があいつを幸せにするなんて…嫌だ、見たくない。

我が儘だと思われても構わない。

格好悪いと思われても構わない。

これだけは譲りたくない。

もう、今更どうにもならないのだけれど。

…そう、今更どう足掻いたって、あいつが俺を選ぶ事はなくなってしまったのだ。

あいつはもう、完璧に俺を“兄のような存在”としか見なくなってしまうのだ。

俺はあいつにとっての特別な存在にはなれない。

俺の手で幸せにしてやる事も出来ない。

…だったら、俺はこの世にいる意味が無い。