甘えるって。《黄》 (ページ8)

今日:83 hit、昨日:28 hit、合計:213,263 hit

7 ページ8

(Hikaru side)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

おかしいな、とは思っていた。

昨日から、返信もなければ既読にすらならない。

心配で追加で何度かメッセージを送ってみても

それも既読にならないまま。

約束してる日の時間とか伝えたいと思っていたのに

まるで音沙汰がないから、心配していた。

普段なら、Aはそんなこと絶対にないから。

不安なまま日付も変わり、

朝になっても、返信はないままだった。

仕事の合間にスマホを見たら、

数分前に返信を待っていた彼女から

1件のメッセージが来ていた。

“ ごめん、明日ムリになった。 ”

ただそれだけ。

意味がわからなくて、

すぐにAに折り返しの電話を入れる。

数コールすれば、もしもし、と

いつもより低いトーンで聞こえた声に驚いてしまう。

心配してたのになぜこんなに機嫌が悪いのかと

不思議に思いながらも、

心配だった気持ちをぶつける。

声の感じを聞いても明らかにいつもと違うのに、

彼女は “ 大丈夫、何も無い。 ” の一点張り。

『大丈夫に思わないから聞いてんの。』

話してたトーンよりちょっと強めにそう言えば

それまで機嫌の悪かった声色から

途端に泣きそうな声に変わって

無理やり通話を終わらされてしまった。

初めて聞く彼女の声に、俺はどうしたらいいか

わからなかった。