初心に戻る為の雑談たいむ。 ページ16
「え、私たちの初ちゅー？」
いきなりトイレに呼ばれて
何事かと思い、急いで旧校舎に行ったある日。
私の顔を見て直ぐに花は
俺たちの初めてのチューって覚えてる？
と人差し指を顎に置いて聞いてきたのだ。
「そうそう。俺たちってチューの回数多いけど、初めてしたときのコト、覚えてるカナーって」
微妙に口角を上げて、にやにやしてる花を見て
その時のことを思いだし、顔がじわじわと熱くなるのを感じた。
そう、あれは。
まだ、この学園の生徒だったときの
ごく普通の日だった。
__________
私は花と寧々が話しているのを見ながら
はぁ、と溜め息を吐く。
「…花が全然構ってくれない」
最近、花の隣にはいつも寧々が居て
全く構ってもらえないのだ。
ここにいても、やることがないからと
私はその場所を去って自分の教室へと向かった。
自分の席に着いて、何気なく外を見てみると
ベンチでいちゃいちゃしてる人達がいた。
「ここ学校ですよー…」
なんて言いながらも、少し羨ましいと思ってしまうのは
末期だろうか。
心の中で苦笑しながら、その人達を見つめていると
ぽつりと本音が漏れてしまった。
「私もあんなことしたいな……」
「してみる？」
ただの独り言に反応が返ってきて肩が跳ねる。
恐る恐る声のした方を見てみると
机に腕を置いて、少し首を傾けてる花が居た。
「あのカップルみたいにチューしたいんでしょ？」
「いや、あの、ちがっ」
私の言うことに耳なんてかさず、
立ち上がり、机に手をついて顔を近づけてくる。
「ね、しよ？」
「ちょとまっ…！」
止めようとする私の声を遮って
花は何回か唇を重ねてきた。
初めてのことに、何故か溶けそうになってくる。
口に感触がなくなり、やっと終わったと思って花を見ると
くふっと笑って、私の頬を撫でてきた。
「カオ真っ赤だね。A、かーわい」
その声を聞いて、もっと顔が熱くなったのは
言うまでもない。
__________
思い出してうつ向いた私に
「今もチューしたいって思ってるのー？」
と私の顔をあげながら聞いてくるから
「なわけないじゃん」
なんて冷たく返す。
本当のことなんて言うわけない。
だけど、初心を思い出したから
そのあと、つーんとしようにも
できなかったとさ。
終わり
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透空(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます。笑 (2020年3月27日 11時) (
レス) id: eb1312b7ac (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - ka☆wa☆I☆i☆ (2020年3月8日 7時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - おとさん» そうですかね？笑 好きって言ってもらえて良かったです。雑談はネタが浮かんだら書くって感じなので良かったら今後も見てくれると嬉しいです！ (2019年1月11日 5時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 透空さん» 私的には好きな終わり方…全然雑じゃないです！後、最後の雑談大好きですw (2019年1月10日 1時) (レス) id: 53811352eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - おとさん» 感動…なのかな？笑 すごく雑な終わり方ですよね…。コメントありがとうございます！ (2019年1月4日 6時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
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